書物蔵

古本オモシロガリズム

2010-11-16から1日間の記事一覧

「卑しい心」事件(拙ブログへのどなりこみ略史 2)

小谷野敦「図書館の理不尽」を読み,日本資料保存論の跛行性を想う http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20050910/p2 1980s資料保存「運動」の負の遺産、「禁複写」ラベルについての話。評論家・小谷野敦(猫々)先生の経験談を紹介し、司書の資格取得には…

雑本・雑書考

諸橋大漢和あたりを見ると、雑学や雑著といった言葉には古くからの用例があり、主題というより形式(文体)のほうがさまざまであることを言う言葉だったらしいし、江戸時代には占いの本のことだったらしいが、ここでは今の意味、つまり、 次の大辞泉にいう1…

アイディア 『全国特殊コレクション要覧』の復活?

アイデアといえば、観念の謂いであるが、また、思いつきでもある。 人文・社会系の資料捜索といふか文献探索でハ、固有名(著者・出版社・コレクター)⇔一般名詞(件名・分類標数)の変換テーブルが不可欠。 で。 むかしはまじめにレファレンス事業の全国展…

これはめづらし。取り締まられる側から見た差押現場

このまへ、とんぼ書林さんが出していた『本の周辺』ほぼ揃いを落手したのだが。 ポツリポツリと、近代日本書誌学(出版史)上とっても重要な記事がある。 稲村徹元「小説「浄め塩」(斎藤未鳴・大正五年)について」『本の周辺』(8) p.55- (1977.3) 上記は…

植民地の取次・台湾三省堂

河原功「三省堂と台湾:戦前期の台湾における日本書籍の流通」『台湾新文学運動の展開』研文出版 1997 p. 「台湾での書籍の取次業者としては、三省堂の子会社「東都書籍株式会社台北支店:が圧倒的シェアを誇っていた」という。