書物蔵

古本オモシロガリズム

これはすごいぞヨミダス地方版

採録モレがあるとか、記述形から引けんとかいふ批判があるが、それでも便利なヨミダスぢゃ。
いままた、採録対象が「地方版」がリリースされたが、こりゃ、すばらし。
正確には「昭和の地域版1933-2001」とて、限定的なものぢゃが、それでも、たとへばキーワード「図書館」で検索をかけると、次のやうな記事がでてくる。

1941.09.27 興風会図書館竣工 10月下旬開館/野田町 千葉 朝刊 ※写真あり

対米戦まへの(本土は)平和な時代。記事によれば、

野田町財団法人興風会の二千六百年記念事業図書館〜は〜同町中町に建築中のところ〜職員は従来の三名を九名に増員、主任には米国々立図書館日本部に在職してゐた仙田正雄司書を招じ〜

おお、米国議会図書館(LC)にいた仙田正雄! 仙田は増田七郎のかはりにLCに派遣されたのぢゃった。そして、こんどこそ、増田のシチローたんが、「図書館員の聖地」LCに派遣されるはづだったのぢゃ、この昭和16年の11月までは。

図書館界の田奇人たる秋岡の面目躍如

こんな記事も初見ぢゃ。

京橋図書館では六月一日から約三カ月に亘り毎週土日の二回宛商業実務講習会を開催し都下第一の商業地京橋区で働く青少年の勉学に資さうと館長秋山〔ママ;秋岡〕梧郎氏の〜
1936.05.06 京橋図書館で商業講座 裏に織込まれた美談 東京 夕刊

などと、京橋図書館でやってた「ビジネス支援」サービスのことなども記事になっとる。もちろん、このビジネス支援は――新田潤の小説に描かれたやうに――失敗におはるのぢゃが、それでも貴重な記録ぢゃ。