書物蔵

古本オモシロガリズム

大阪屋号の濱井ひろむが出版業界と手を切りたかったらしいこと

ダンディーで、ダンスが大好きだった浜井弘(はまい ひろむ)。
仕事が厭でいやでしょーがなかったのに、満配に対抗する会合にひっぱり出されちゃあ演説のうまい浜井弘(はまい ひろむ)。
その浜井弘(はまい ひろむ)が、ホントーに出版業界がやだったんだなぁと推測させるトリビアをみつけちった。

神田小伯山(かんだこはくざん) (本)濱井宏至(はまいひろし) 東京 (生)明42・8 (住)東京都中央区呉服橋二ノ五 (電)日本橋〇八七一(呼) (専)講談 (会)落語協会
『文化人名録(昭和27年版)』p.741

最初、索引を見て、むむ、神田で浜井となっ、されば「ひろむ」くんではあるまいかと思ふて、さっそく「小伯山」でググりたれバ。あにはからんや、こんな記述が。

二代目 神 田 山 陽
本 名 浜井弘(はまい ひろむ)
出身地 東京都
生年月日 明治42年8月31日
血液型 B型
昭和10年 新講談の名人、大谷内越山の主催する「一人一話会」に入会
物語研究会に所属
昭和14年 講談組合に加入
芸名・品川連山
昭和17年 真打昇進
昭和23年 三代目 神田小伯山を襲名
昭和30年 二代目 神田山陽を襲名
昭和45年 講談協会会長
平成12年 10月30日腎不全のために逝去 91歳
http://www8.ocn.ne.jp/~sumire01/master.html

こりゃあ、両者は同一人。
やっぱす「ひろむ」くんだっただすねっ!
しかしわざわざ「本名」の欄に微妙に異なる偽名を書くとはとは。これはやはり、媒体が古巣の業界に直結しとるからではなからうか。
もうひとつわかることは。
弘(ひろむ)を「ひろし」と呼んでた人が多かったらしいこと。だからこそ、偽名「宏至」でわざわざ、「ひろし」としか読めない「至」をつけたのだねぇ。
著作権がらみのスキャンダルで消えた(社〕日本著作権協議会
そこが出してた著作権台帳=文化人名録はオモシロ情報の宝庫なのだ。