書物蔵

古本オモシロガリズム

江刺昭子『女の一生を書く』は人物伝の書き方で秀逸

  • 井上真琴 著. 図書館に訊け!. 筑摩書房, 2004.8. 253p

を読んでいたら

が紹介されていたので読んでみた。
そしたら、これはすごいよい本。
前半は自分のライター歴なんだけど、後半で、人物伝のかきかたとして述べているもの。大宅文庫をほめるのに国会ではらがたつことや、(さんざまたされて、欠本で、カウンターをけりたくなるとか)1970年代には、まだふつーのコピーサービスをしていなかったとか、調べ物トリビアもおもしろ。
1点だけ(アカデミズムの作法と)ちがうなぁとのは、調べた史料の典拠をみな書くなというもので、それは、読みやすさやおもしろさをそぐから、というものでした。でも、史料そのものはできるだけあつめろ、
とあり。
雑誌記者あがりで無手勝流にやってきて、学術の作法とほぼおなじところにいたったというところだけど、ききがきの作法など、こまかい点が参考になる。ってか、そういったことを細かくかいた本があんまないからなぁ。オーラルヒストリー系にはあるけど、それ以前に、人物がらみで文献調査や住所調査などをやるノウハウなどはなかなかないよ。
わちき、フェミニズムに興味ないんで、こんなユースフルな本が出ていたの、知らなかったわん。