書物蔵

古本オモシロガリズム

鹿島茂先生! 『ちくま』2月号p.56は誤認では?

鹿島茂先生へ
いつも先生の連載たのしく読んでいます。
さてそこでチトはてなと思ったのは、2月号56ページで、明治20年代に創業した芳賀大三郎の芳賀堂を

現在AV専門店の芳賀書店が神保町きっての老舗だとは意外な感がするが

としていますが、
誤認と思われます。
どこの図書館にも収まってない『芳賀書店の歩み』によると

芳賀書店は、昭和十一年暮れ頃、巣鴨トゲヌキ地蔵通り(略)に店舗を賃借出店したところから創設開業されたものである。

とあり、現在の地に進出したのは昭和23年暮れとあります。
参考:http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20091230/p2
また、芳賀大三郎は昭和5年没とあり

出身店の芳賀書店(芳賀大三郎,東京古書籍商組合初代組合長,昭和5年歿,享年61)について,
http://back.shohyoumaga.net/?eid=4472

『東京古書組合五十年史』の当該ページをみると、芳賀堂のあとには別の書店が入っていたことが書いてあるので、没年前後に廃業した可能性が高いです。

ついで(?)に直訴:古書即売会に一般客導入計画

鹿島先生の提唱せる神保町古書街ディズニーランド計画、全面的に賛成であります。最近は日曜も人手があるように思います。
さて、昨日、古書即売会に行って、みょうに女子学生風の人がちらほらいたので思ったのですが、古書会館の2Fの展示スペースでも毎週末、即売会をやるべきと思います。児童書や洋古書など、見栄えがし、値段もそこそこつけられるようなものを展示し、古書に不慣れな一般客を呼び寄せ、ついで(といっては何ですが)地下の古書即売会へも足を運んでもらう。
しかしこれには2Fがいつも地下と連動して開いてなければなりません。しかるに2Fだけではそうそう売り上げが確保できるとも思えず、ここはひとつ古書籍商組合レベルというか街レベルというかで2Fの即売会なりイベントなりを維持する仕掛けが必要と思うのですが、いかんせん、一回の古書オタクたるわちきには古書業界首脳にツテがなく、鹿島先生ほどの方であれば献策する機会もあろうかと思います。
自分も学生時代、古書店は廻ったものの、古書会館は1,2回で、どーやって楽しんだらよいかよくわからないまま行かなくなってしまいましたので、やはり潜在的な古書好きに慣れてもらうことが必要かと思います。それにはやはり最初はキレイで分かりやすい古書でお客を呼ぶのがよいのではないかと思います。
また大学のメディア史関係の授業でも、洋古書や古本に直接触れる場があれば、生きた教材にもなるかと存じます。大学教育と古書業界を橋渡しできる方はそうそうおられないでしょう。
どうぞよろしく。