書物蔵

古本オモシロガリズム

やっぱす見てただすねっ! 検閲の帳簿を

『書誌索引展望』4(2) p.32 (1980.5)にいはく。。。

――新刊書の情報入手は大変だったのではないですか。
福井 総務庁弘報処という検閲をする役所がありまして、そこに行って、検閲伝票の綴りを写し、それを十進分類法で分類しました。東京に比べれば程度の低い出版界でしたが、中にはいかにも満州〔ママ〕らしい地域性のある出版物もありました。

福井ってーのはトーゼン、福井, 保, 1911- || フクイ, タモツ さんね(ご存命のはず)。
戦前、出版情報をどーやって民間調査機関(東京堂とか)が得ていたのか、その現場を実際に語っている記述ってーのがほとんどないんだよなぁ。ってか、『綜合出版年鑑』なぞははっきり序文に書いてあるけどね。ただ回顧的に書いたのは、満洲の事例だけど、この、福井さんのぐらいですよ。
戦前の出版警察、検閲の話になると、やれ、「ファシズムが」、やれ「国家主義が」などと、一方的な紋切り型で不明な部分を説明した気分になってきたけど、なに、それなりのコネや理由があれば、結構伝票が見られるという話なのだ(*´д`)ノ