書物蔵

古本オモシロガリズム

第二図書館省成立秘話 1

本棚の整理をしていたら、なつかしき『ほんわかだより』が出てきた(^-^;)
ゆえに物語は唐突に始まる…
満洲図書館界の中心人物にして、戦後図書館界の大立者、弥吉光長が、現在第二図書館省となりつつあるTRC設立について書いたものがある。

TRC創立の話をせよとの編集の依頼ですが、関係者の痛いところまで書くのは遠慮するが、明確に筋は通しておきたい。

岸信介に積算などを指導されながら、関東軍相手に大立ち回り。国立中央図書館が、どっかの附属で半身不随という運命*2から救う途を拓いたなかなかの政治家。もちろん、大立者であったのは、ただ政治家だっただけでなく、日本でほぼ最初の読書の通史を書いたり、研究もしとる。
その彼が、日図協が借金で首が廻らなくなっとるのを知ったのは1979年7月20日前後のこと。JLA借金まみれは正史によれば「(1978年3月に事務局が刷新され、栗原均)新事務局長の仕事は事務局の仕事を把握することから始まったが、事務局全体の業務の流れを知っている職員がいない上に、独立会計であった事業部の収支が財政的には破綻に近い状態にあったため、暗中模索の中で資金のやり繰りを考えるという」状況だったという(『近代日本図書館の歩み』正編p.186-187)
ヤヨシのいう「関係者の痛いところ」というのは、その前の体制、斉藤敏理事長、叶沢清介事務局長、菅原峻総務部長の痛いところということらしい。

栗原事務局長の話によると赤字一億円近い総会報告の外に三千万円の滞貨と埼玉福祉会との間に二千万円の未収入金が

あったという。消費者物価指数(総合)で換算すると、トータルで今の2億1千万円ぐらいかしら。

かねて持論の通り、本職の商売人が赤字の中に半役人の協会が黒字になるわけはない。

とて、ダテにもまれちゃいないヤヨシは電光石火。なんと同じ月の27日には清算のための特別委員会を開かせる。
(つづく

*1:TRCほんわかだより / 図書館流通センタ- , 1986.5-1999.12

*2:結局、大満洲帝國は1945年に崩壊。国立中央図書館はでけんかった(*゜-゜)トオイメ ん?(・ω・。)民主日本国(立憲君主制)の中央図書館ってのはどうなってをるかな(σ^〜^)?