書物蔵

古本オモシロガリズム

大塚文庫の終焉1992

「東京・世田谷の大塚文庫(創刊誌図書館)が閉館/企業、自治体の支援離れで」『読売新聞 1992.11.24朝 p.30

閉館したのは東京都世田谷区喜多見の「大塚文庫」。人材紹介会社を経営する大塚正基さん(68)が自宅の一部を開放したものだ。(略) 最終的に集まったのは約一万二千点。古くは慶応四年から現代まで、あらゆるジャンルが対象で、収蔵する創刊誌の数としては、国会図書館の五千点、大宅文庫の四千点をはるかに上回る。 (略)結局、大塚さんは、それまで勤務していた会社を退職し、自分の会社を設立したのを機に、文庫の閉館を決意した。四、五千万円をつぎ込んできた“宝の山”は、すでに約六千点を古本屋に売却し、残りも徐々に処分していくという。(略) 大塚さんは「創刊号の伝える時代の息吹を残したいと力を尽くしてきたが、もう個人では支え切れない。これだけ活字文化の発達した日本で、こうした運動への理解が薄いことが残念だ」と話している。