大場利康「満洲帝国国立中央図書館籌備処の研究」『参考書誌研究』(62) p.1-186 [2005.3]
読了す。
結局この世に生まれ出なかった国立中央図書館の話ではある。だから「籌備処(ちゅうびしょ)」、日本風にいへば準備室という語がついている。で、感想はといへば、んー、おもちろかった(^-^*)
この話が論文として成立したのは、ひとえに著者の視点によるものと思う。といふのも著者は、わちきのいふところの「国会附属図書館」の職員さんらし。この、世界的にも例外的な国会附属の国立図書館につとめとることから来る視点がなければ、この主題は平板な事実の羅列に終ったに相違ない。そしてこの視点ゆえに、結論部でいささかの勇み足に陥ってもをるやうに思われ。これについては最後にまた書くが。
本論はどう解すべきか。