書物蔵

古本オモシロガリズム

東亜研究所の流れ:久々の仮性図書館本

こんなものを通信で入手せり。
田山茂博士追悼録 / 編集:故田山茂博士追悼録刊行会. -- 正進社, 1972 大学堂1500円
田山, 茂 (1912-1971) ‖タヤマ,シゲルは蒙古研究者にして国会図書舘員だったひと。戦時中は東亜研究所にいた。

新しい研究機関設立にはいろいろないきさつはあるが、結局挫折し、当時東亜研究所副総裁であった大蔵公望さんのお世話でわれわれは参議院調査部に入った。それは国会に国会図書舘という大きな機構が建設され、それには調査部ができる予定であるから、君たちはそのスタッフにふさわしいから、まず参議院に入って図書案建設の準備に当れという話であった。

大蔵公望は、研究所の建物はたてなおせるが、人材が散逸してはもったいないと言っていたそうな。
それで昭和22年秋から23年春にかけては準備に大変だったという。クラップ、ブラウン、中村嘉寿、羽仁五郎らがディスカッションするための資料をつくるのに追われたという。

内田明調査部第一課長の下に四羽烏といわれた四人が主とし事務にあたっていた。田山さん、大塚さん(今は国会図書舘を定年退職)酒井さん(現国会図書舘連絡部長)に私であった。(原徹郎「田山さんと私」p.117)

なかにでてくる酒井さんってのは酒井梯氏であろう。
してみると東亜研究所も国会図書舘の調立に引き継がれたという話が裏付けられる。大蔵公望はオタどんブログに出てきてたね。

(追記20080202)

東亜研究所の金森徳次郎http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20070802/p1