書物蔵

古本オモシロガリズム

本の紛失

以前、本が書庫から飛び立っていくさまを描いたアメリカの絵を紹介したけど、日本でも本は図書館から飛び立っていくみたい(゚∀゚ )
昭和前期に東大で開架本が「紛失」するという事例(昭和5年のこと)

帝大図書館の○○防止 東京帝大図書館では指定書が頻々と紛失するので共済事業に学生委員がこの防止法協議のため五年十一月末会合を開き、学生が自然的に学内の自治を計る事を申し合わせ、図書館指定図書紛失防止の具体策を決定しこれを実施することゝなつた、即ちこの図書紛失の取締まりには応援有志学生を募つて、毎日交代で図書の整理に当つてもらひ、なお○○の可能性の最も多い書籍に対しては別に網棚を作つて収め、これを借りるときには学生証を引き換えに渡す様にした(『〔東京書籍商組合版〕出版年鑑(昭和6年版)』p.50より)

おそらくここでいう「指定書」というのは、開架のレファレンスブックか、開架のリザーブ・ブック(科目ごとに指定される参考書)のこと。
網棚(カゴ)をつくらねば本がいなくなってしまうとは、やっぱり本は鳥類であったのですなぁ(*´д`)ノ
○○のなかには漢字がはいっているのだけど、いやまあそんなまさか、ということで検閲したのじゃ(・∀・)
「指定書」については、阪田蓉子「大学中央図書館における学生サービスの史的変遷:貸出と開架」『図書館学会年報』34(4) [1988.12] 35(1) [1989.03] あたりを参照せよ。