書物蔵

古本オモシロガリズム

「アーカイブ」を「文書館」と訳したのはほんとに図書館員なのかなぁ

このまえ、日本レファ史年表にでてきた鈴木賢祐(すずきまさち)についてググったら、

昭和27年(1952)、旧萩藩主毛利家から山口県へ、藩政時代の文書である毛利家文庫が寄託され、県立山口図書館へ収蔵されました。この時既に県立山口図書館には戦前の県史編纂所が収集していた県庁の文書が存在し、これらを併せた積極的な公開・利用が早急の課題となっていました。当時の図書館長鈴木賢祐(すずきまさち)らは、これらの膨大な文書の本格的な保存利用機関として諸外国における「アーカイブズ(archives)」に着目し、これを「文書館(もんじょかん)」と翻訳しました。そして、アーカイブズに関する欧米の諸論文を訳出するなど、文書館設置に向けて活動しました。
このようにして昭和34年(1959)4月、山口県文書館は日本で最初の文書館として誕生しました。

http://ymonjo.ysn21.jp/introduction/introduction.html
へー
鈴木が「文書館」という語を作ったというのは知らなかった。
あわてて『日国(2版)』の索引をみるが、「文書」はあっても「文書館」は見あたらず。
『大漢和』も同様。
平凡社大百科』には、「文書館(もんじょかん)」で立項され、地方文書館の初めとして確かに山口県立が上げられている。同種の機関としては、「史料館」が国会に建議されとる(1949)とある。

やっぱり(^-^;) 戦前にいくらでも使用例が!

いやぁ(・∀・`;)
鈴木まさちの業績を貶めるつもりはまったく全然ないんだけれど…
やっぱり訳語「文書館」鈴木まさち発明説はかなりアヤスィくなってきた。
とりあえずコレ

幸田成友「欧洲の文書館及び図書館について」図書館雑誌』(130)(昭5.9)
こうせいしゃ雑索よりhttp://www.annex-net.jp/ks1/detail.php?id=779070