書物蔵

古本オモシロガリズム

大東亜図書館学:追記

昨日書いた、満洲国≠植民地の出典はつぎのとおりね。
事典昭和戦前期の日本 / 百瀬孝. -- 吉川弘文館, 1990.2 (のp.400)
まぁ、語感というかイデオロギー的な問題として、「ダイトーア」という語感は、聞いたとたん、「あっ! 右翼かも」と思わせてしまうところがある(・∀・)。
大東亜戦争」(Greater East Asia War)という語は占領軍により日本政府が使用を禁じられ(いわゆる「神道指令」(1945.12.15)だそうな)、公文書には「太平洋戦争」が使われるようになり、この呼称が(占領終結後も)定着してきた。
わちきも現憲法にそれなりの敬意をはらうものだけれども、「太平洋図書館学」ってのもなぁ。スカスカした感じ。樺太、台湾、朝鮮、満洲支那など図書館事業が見られた領域(東亜)にくらべ、太平洋地域は、ほとんど図書館現象がみられなかったとしかいえないし(南洋庁には図書館はなかったのでは)。
15年戦争」は、年数の数え方が破綻しているので使えないし、最近、一部が使い始めるようになった「アジア・太平洋戦争」ってのは、まさしく「大東亜戦争」とおなじ地域(Greater East Asia:拡大東部アジア)を囲むための概念とみているが。あんま関心しない。
「大東亜」のほうが、帝国日本の夢と希望と大失敗(大惨事)がつまってて、ドキリとくる語感があるよね。大東亜図書館学*1は、そういったマイナスイメージも含めてオモシロ役立つ言葉のような気がしてきた。
いいかえると「帝国日本の日本語図書館学」ってところ。

*1:「図書館学」なる呼称がお笑いだという意見もあるが…