書物蔵

古本オモシロガリズム

めずらしくお勉強

このまえ東武宇都宮線内で読んだこれのメモ
図書館・情報学研究入門 / 三田図書館・情報学会. -- 勁草書房, 2005.10
この本はタイトルに反して「文献展望」なので役にたつ部分がある。

  • 索引誌Science Citation Indexが創刊されたのは1961年(p.208)
  • 欧州docmentationは世界書誌が起源で書誌記述を大切にするが,米国docmentationはマイクロ管理が起源なので,検索や保管を大切にした(p.208)
  • 「國會図書館は國立國會圕法によって設立された」(p.197)→圕情報学系によくある間違い言説。国会法が設置法
  • レファレンスサービスの歴史,という超マニアックな項目あり(p.174-177)
  • 設計と無関係な機器使用慣例についての研究。Suchiman, L. プランと状況的行為 産業図書,1999,218p.
  • 間主観性を情報学研究へ導入する動きあり。「情報行動研究」(p.26)
  • Kingma, B.R. The Economics of Informationは,情報学徒向けの経済学教科書(p.15)
  • ブログが列挙されてる部分に,「愚痴は提衡して…」がある。

しかしまあ,これじゃまるで,わちきがちょっとイカれた圕情報学徒みたいだね。
はずかし(・∀・)
それはともかく,「レファレンスサービスの歴史」には,この前たまたま見つけた論文も上げられてた。
わちきの趣味的には,「読書史」「日本の戦後図書館史」あたりも興味。

読書史(要旨・引用)
マクルーハン前田愛の「印刷本→黙読→近代」という図式は転覆しつつある。シャルチエ等が古代中世の黙読を例証。「技術決定論的な初期の読書研究に大して,禁煙では読者の条件にも配慮した社会構成主義的な視点が欠かせない」
ハードに依存した読書が社会を変える,のではなく,社会の移ろいにあわせて様々な読書現象が発生する

ははぁ。期せずしてわちきも読書史研究のトレンドに載ってるってわけだね(゚〜゚ )
だけど,昨今のPC推進派は,ほとんど全員,技術決定論だよなぁ。馬鹿だ。人間は結局,社会関係(慣習)のもとでしか動かないのにね。