書物蔵

古本オモシロガリズム

 飲み会ついでに古本 附.帯について

久しぶりに,職場関係の人と会いました。
昼間は肝心の用件よりも,組織の病理(管理職登用システム,法匪*)のことや,レファレンスの幅広さや,それに触発されて探した奇書のことなどでもりあがってしまいました。意見がおもいのほか一致してしまい,いささかこわかったです。
夜は,別の,10年以上まえの知り合いで,なつかしかったです。おまけの出来事もありました。

と自分でも思って1日をすませてましたが,よくおちついて考えてみると,待ち合わせの直前に1冊買ってました。われながら,ゆだんもすきもありゃーしません。
明治下層記録文学 / 立花雄一. -- 筑摩書房, 2002.5. -- (ちくま学芸文庫)
下層社会ものには,紀田順一郎氏の本で興味がでてきました。母方の曾祖父母もかなり貧乏ぐらししたようですが,あれほどじゃなかったのでは。でも,晩年よく「カネがないのは首がないのと同じだ」といってたようですんで,苦労したのでしょう。
安かったから買ったんですが,それよりも帯付きだったのがよかったです。
そもそもちくま(学芸)文庫は,最初の配本時には,カラフルで上品な帯をつけるのに,配本から一度,出版社に戻った時にとってしまっているとしか思えません。丸善なぞ,わざわざ店員が棚ざしの本についている帯をとってました。なぜでしょう。
帯は運搬中や展示中にヤブレたりとれたりすることがとても多く,商品管理上面倒ですし,装丁デザイン上も,帯なしを想定されていることが多いため,出版社や書店がとりさってしまうことが多いようです。
しかしながら,古書市場で,帯のあるなしによって数百円から数千円値段がかわることからも判るように,帯は重要なのです。
ちくま(学芸)文庫は,むかしの岩波文庫的地位にいるのですから,経済合理性からだけで運用しないでほしいです。にしても岩波文庫だいじょうぶだろうか。心配。この際,装丁を一新して売り出すのも手では。いっそのこと,むかしのパラフィン+帯にもどすとか。

 注)法匪 法律をふりかざす匪賊です。罵倒語。法学部出のうち頭の悪い人や自信のないひとがなりやすい。わたしとしては,法一般や法曹(法実務)には知恵がある(or必要)と思ってますが。これについては,「経営法学(企業法務)と法匪」として別項で論じマス。くりかえしますが,法学ぜんぶダメといっているわけではありません(くどい?)。