書物蔵

古本オモシロガリズム

 ネットで古書をかう方法

サンシャインまで散歩して,文庫本を2冊ひろいました。平日だったので,ものすごく閑散としてました。やっぱり即売会は初日のほうがお祭りでにぎやかです。ちょっとかぜひいたかも。
余白があるので,ちょっとネットの古書購入についてメモしてみましょう。結論からいうと,以下の順で探すのがベストです(現状では)。
1) Amazon.co.jp 新刊だけでなく,古本につかえます。親データがなければ古本を出品できないのが欠点ですが,個人や新興店が出品するため,あれば安いことが多いです。極端に安いこともあり,決済が簡便なこともあわせて,だいたい1980年代以降の本を買う場合,おすすめ。予約もできますが,やったことはありません。
2) 楽天の古本 Easyseekとデータの中身がおなじです。Amazonとことなり,どんな本でも出品できるので古いものもあります。個人や新興店が中心なので安めですが,珍しい本は多くない。いちど買うと,その出品店の新規出品がメールされるようになるので,待ち伏せができます。
3) スーパー源氏 新興店中心ですが,古参の店もちらほら。千円以下の雑本やエロ本につよみ。DBのインターフェイスは,実はここが一番いいけど。上記楽天にお株を奪われつつありますので,あまり引かなくなってしまいましたが。
4) 日本の古本屋 古参の店が中心で珍しいものもありますが,値段はバカ高からそこそこぐらいまで。古本屋めぐりをすると,バイトさんたちがさかんにこのサイトを覗いているのがわかります。価格形成力があるのですね。図書館関係では専門の早川図書が価格形成にはげんでいます。つぎに金沢文圃閣。文圃閣は行ったことがありますが,すてきな古本屋です。レスポンスがとてものろく不安定なのが最大の弱点。
5) 本の街神田 老舗のみが参加するサイトの目録。自家目録(冊子)の原稿データをながしてる様子。むちゃ高が多いが,やはり珍しいものはここに。資料モノなど。ふるい蔵書目録などはここが多いですが,むちゃだかで,買えません。参考にする程度。
番外1) 独立のHP(グーグル検索) 流行の分野(絶版文庫など)や,手堅い分野(資料ものなど)の店には,独立のHPにしか出品しないところが多いです。グーグルで過去データをひっかけるなり,古書店地図帳などをみるなりしてサイトをみつけておくとよいでしょう。検索は,タイトルをフレーズ検索(ダブル・クォーテーションでかこむ)してみましょう。
番外2) ヤフオク めずらしいものはたまにしか出ませんが,出たら,相場にくらべ極端に安いことがあります。図書館関係は,司書課程で使用するような教科書類ばかりですが,安いです。
どれをひくにもいえますが,書誌データは誤植だらけです。また新旧漢字の正規化もおこなわれないサイトが圧倒的多数なので,検索条件はしっかり考える必要があります。
上記の7つは,商品のチャンネルにすぎません。チャンネルそのものはエンド・ユーザーにとって楽しいというものではないので,結局のところ,商品の質と量の問題になります。で,その商品なのですが,状況によってぐるぐる変わります。
2,3年まえは,アマゾンやグーグルのチャンネルは弱かったので,1がスーパー源氏,2は日本の古本屋というところでした。が,あっというまに変わってしまいました。
重要なのは,必ずしもDBのインターフェイスは重要ではないということです。インターフェイス最悪の日本の古本屋は,上記のなかではアマゾンに次いで盤石なものとなりつつあります。要は商品なのです。古本という特殊な商品を,どれだけたくさん,多様に陳列できるかなのです。
これはブログ予告にある私の持論「データは永く,OPACは短し」にも通じます。
大量生産品であれば,アマゾンの一人勝ちでおわりますが,相手は古本。1点モノですし,なにより,価値があるかないかは,一部のマニヤと一部古書店が決めることができるのです。これは古書業界特有のものです。ですから,インターフェイス最悪の日本の古本屋が盤石なのです。
これから古本のネット通販は,3本ぐらいに収斂していくと思います。一方の極は雑本を安く売るところ。アマゾンがそうなるのでしょう。で,もう一方の極には日本の古本屋。学術書や資料モノ,古い趣味本を売ることになりましょう。で,中間に,よりポップといいましょうか,アングラ・サブカルを中心にしたどこか。
それにしても,日本の古本屋はインターフェイスが最悪なので,これはまた別に1項たてて文句を具体的にいわせていただきます。
さらに応用の話をすると,
絶版文庫マニアなら グーグル アマゾン 楽天
文学マニアなら 日本の古本屋 グーグル 楽天
サブカルおたくなら スーパー源氏 グーグル
研究者・研究家なら 日本の古本屋 本の街神田 楽天 グーグル
といったところでしょう。