書物蔵

古本オモシロガリズム

金園社の歴史

1932年あたりから児童書を出版している浅草の金鈴社が、のちの金園社の流れらしい。1920年代から31年まで硬めの本をだしている金鈴社(青山)は代表者も違うから違うもの。
次の本にこうある。

  • 本地正輝『友と友 : 友情物語集』6版(金鈴社 1935.8)Y8-N07-H858

発行所 東京市浅草区小島町二二番地 金鈴社
発売所 東京市浅草区小島町二二番地 マツキ書店 

しかし、各種資料がてんでばらばらの年を挙げているから、じっくり検証しなければ、年代はかなりあやしいが、とりあえずまとめると。

1877.8.12 松木玉之助生る 長岡?
1898? 松木玉之助、博文館に入る
1906.4or5?.8 ××春吉(金園社創業者)福島生 生月4月説が強い
1908or09 松木玉之助、勤続10年で表彰される ※goole book 図書月報
1910or11? 松木玉之助、独立し玉泉堂(通信販売)を創立
192? ××春吉、出版業界に入る
1932 ××春吉、松木家に養子に入る
1933.4.1 マツキ書店(書籍雑誌卸)創業 訪問販売を開拓 ※日付は百年史年表
193? 「月報」発行 外地にも販路
1936 玉泉堂、創業25周年 ※読売新聞広告
1945? 金鈴社の名称で辞書出版
1948.12.1 (株)金園社に改組 ※日付は百年史年表
1956.7.23 松木玉之助死去
1958 かすが書房名義で「小林多喜二全集」9vols.を1回だけ
1964.3 (株)図書出版金園社に改称
1964.10.1 金園社と改称? ※百年史年表による
1978.3.9 松木春吉死去
2009.10 ダイセイコーグループが全株式取得

http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20130403/1364914847 にひかれとる『全国出版物卸商業協同組合三十年の歩み』によれば、××春吉が入った松木家の先代、松木玉之助(明治10-)は、「長岡から上京し、〜博文館に入社。その後独立して、全国の読者と直接取引する通信販売業・玉泉堂を」始めたそうな。
松木玉之助でググると、金鈴社名義で戦中も地図出版などをしてるやうね。また日本出版クラブ顕彰者名簿にもあり。(M10.8.12-S31.7.23)