書物蔵

古本オモシロガリズム

「今年の執筆予定」気になったもの

これで気になったものをメモ

佐藤卓己 『ヒトラーの呪縛』の増補版を中公文庫新書で。『「図書」のメディア史』(岩波書店
鈴木貞美 『日本における「日記」および「随筆」』(和泉書院
藤井淑〓 『江戸川乱歩大事典』(勉誠出版) 大衆文化、モダニズム事典の性格も。日本近代文学大事典の新聞・雑誌編を「しのぐものになると自負」
高宮利行 「英国愛書家の系譜」(『書物学』連載)を1冊に
中野三敏 『師恩江戸文芸研究者列伝』
井上俊 永井良和と『現代ニッポン・ことばの風景(仮題)』(ミネルヴァ書房

いちばんの期待は『「図書」のメディア史』。まだ執筆中なら、資料送りつけちゃほうかすら(σ・∀・) 誰かがブログで佐藤卓己批判を展開中に、鈴木庫三などスメラ学がらみでトンデモなのを佐藤は知らんだろう、といふカキコがあったが、まさかスメラ学研究の本家本元にタクミ氏が出入りしてたといふのは誰も、って、こりゃググれば満天下に公知のことだよねぇ。「ヒトラーの呪縛」元版はなかなか古本に出ないものだったからよかったね。『ホビージャパン』記事のビブリオメトリクスなんてこの本で初めて見たよ。増補されるならまた買うなぁ。

おなじ号に竹内善作が載ってるなぁ

おなじ号の

で、嶋田氏が、竹内が自らの勤める大橋図書館報『トピック』第2号(1937)で、蔵書構成の中立性が大事と言っているといふ。さらに「ある号」では「「帝国新報の如き右翼紙を何故に備え付けてある」のか非常識」だとする投書」に対して竹内が、利用者自身が考える材料に備えてあるんだよ、と回答しているという。
しかし、『トピック』なんてよー読むね。これ、めづらしいんよ(σ・∀・)σ
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20091026/p3
ただ、嶋田氏は、ちと誤解してゐる気がする。帝国新報は右翼紙なれば、「体制側の主張を説いたもの」とは実はいへない。左翼より甘かったが、右翼に対しても「体制」なるものは圧迫してをった。右翼=体制というのはいかがなものか。それにこの帝国日本たった3400部しか刷っとらんのよ(σ^〜^)
ちなみに、竹内善作は、善朔であり、「闘いとしての資料保存」を実践した偉大なるホンモノの(かくれ)左翼であることを、このような文脈ならば、ぜひに言及すべきだらう。

竹内善作(1885-1951)論をよむ
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20051006/p1

山本昭和氏による岡本真、森旭彦『未来の図書館、はじめませんか』の書評(pp.76-77)は、内容紹介の部分が多くて腰がすわってない。「評者は反対」と最後に出すのであれば、その部分についてなぜなのか、をもっとちゃんと書いてくんないと。

未来の図書館、はじめませんか?

未来の図書館、はじめませんか?