書物蔵

古本オモシロガリズム

「大年表」の注目点その1:この世に残ってなかった業界誌が!

「大年表」の内容見本を見て、び、び、び、びっくりしたのは、なんと! かの失われた

東京古書相場通信

が映っていること!!!
ん?
なして、そんなにおどろいとるのかわからんってか?
さもあらう、さもあらう。
いまを去ること80年まへ、『日本古書通信』なる「通信」が発刊された。そしてそれは今もつづいてをるのぢゃが、これ、愛書趣味家の、ゆるふわ交流誌てふは仮の姿にて、その実体ないし濫しょうは、東京の古書相場を地方業者に伝える通信だったのぢゃ。

生き残った〈日本〉古書通信

これは八木敏夫の回想等を子細に読めばわかることなのぢゃが。じつは〈日本〉古書通信は、先行する雑誌、「〈大阪〉古本市場相場通信」を継承したものにて。

「大阪古本市場通信」という謄写版刷りの小さな業界誌
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20120712/p1

この〈大阪〉のはうを発行していたのは休軒こと富樫栄治というが、彼と八木書店創業者、
八木敏夫が知り合いとなっていたことが、「〈日本〉古書通信」誕生のきっかけとなった。
八木は反町茂雄らとともに一誠堂で丁稚をつとめていたが、1932年9月に独立した際に富樫休軒から〈大阪〉
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