書物蔵

古本オモシロガリズム

「思い出のマーニー」ならぬ『思い出の図書館』はめづらしき図書館本

本集めも10年に近くなると、なかなか「初めて見る本」というのはない。
もちろん、自分の収集領域の、という限定つきだけどね(o^ー')b
ところがである。

三省堂夏の古本市で拾ふ

土曜日友人らと合流すべく東京古書会館に進出し、「けふもオモシロい図書館本ないなぁ(´・ω・`)」とて連絡したら「三省堂の8階でも古書展やってますヨ」とのこと。さてこそ参るべぇかぁとて、八階へ。
明るく見やすい会場なれど、どーせ図書館本はないんでしょ、とてまはりはじめたところ、本の本がある一角があり、そこになにげなくころがってたのが、これ。
いやサ、はじめてみた図書館本。

  • 上野茂 編著. 思い出の図書館. 滑川村 (埼玉県) : 上野茂, 1978.10. 336p ;

上野, 茂, 1913- || ウエノ, シゲル さんは1932年に埼玉師範を出て以来の教育畑。それが1957年に県立図書館長になって以来、1976年で退職するまで各県立図書館長を歴任した人。最後に脳卒中で倒れて、リハビリに成功したのでこの文集を編んだそうな。
面白いのはちょうど戦後の各種文物が整備される時期と重なっていて、県の教育史編纂の事情やら県立文書館の創設事情やらが書いてある。だから地方史文献年鑑に書誌が載っとるんだねぇ。

オモシロな部分

当時の〔図書〕館界の空気は、文書館が設置されると、従来営々として収集・保存に努めて来た自館所蔵の文書を、文書館に持っていかれるのではないかという懸念があり(p.219)