書物蔵

古本オモシロガリズム

日本出版業界紙事始→1924(大正13)年、村田勝麿の「出版タイムス」でよろしいか?

しばらくまへ、google book で引っかかっていた情報が、実際にはどの巻号にあるかわからず、困っていたのだけれど、ついに判った。
http://books.google.co.jp/books?id=SiNDAQAAIAAJ&q=%E2%80%9D%E5%87%BA%E7%89%88%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%E5%A0%B1%E2%80%9D&dq=%E2%80%9D%E5%87%BA%E7%89%88%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%E5%A0%B1%E2%80%9D&source=bl&ots=1FHN6HI-2g&sig=3__XxYB7n78MpkQKSCARqyjMspw&hl=ja&sa=X&ei=HfMhUIHwLYyfmQXOoYHYCg&ved=0CEUQ6AEwAg
じつはこの記事が上記、ググルブクにひっかかってをったのぢゃ(。・_・。)ノ

  • 「(77) 出版業界新聞にはどのようなものがあるか……(巻末特集・本と読書に関する百問百答 第II集)」『出版ニュース』(778) p.58(1968.10.下旬)

 他の産業同様に出版業界にも業界新聞がある。大正の中ごろ村田勝麿の主宰した「出版タイムス」が業界紙では最も古いとされている。昭和四年に帆刈芳之助氏により「出版研究所報」が出された。この頃の業界紙のなかにはいわゆるゴロツキ新聞が多かつたが、帆刈氏は気骨のある人で、業界のための正論を紙面にあらわしていた。戦時中は丸?誠氏と共に「出版同盟新聞」を刊行したが、用紙統制で廃刊、帆刈氏はハガキで通信をつづけた。
 戦後は帆刈氏の「帆刈出版通信」をはじめ「出版新報」「文化通信」「出版通信」「出版情報」「新聞之新聞」それに丸島氏の「新文化通信」など数多いが、新聞、印刷などの業界紙を兼ねているものもある。その後「出版新報」は廃刊し、帆刈氏の死去で「帆刈出版通信」も昭和四十二年十月に廃刊した。変わって「PSジャーナル」また、四十三年には「出版時事」が新たに業界紙に加わった。
 出版業界の動きを示す報道、ゴシップ、批判を主にし、時には業界の紹介、経営問題をとりあげ業界の発展と共に活動している。

最近、ギョーカイシの歴史(特に発生時と戦前)について調べてんだけど、とりあへず事例として、出版業界と印刷業界に焦点をあててんだわさ。あと新聞紙業界。
で、いちばん研究が進んでそうなのが新聞紙業界シで、有望な資料が見つかっとんのが印刷業界シ、いちばんオモシロさうなのに手がかりが僅少なのが出版業界シだったりもする。んで、わが(?)図書館業界には業界シが天地開闢以来平成の御代にいたるまで無い。

残存状況

それはともかく、いま、上記記事であげられたものがどれだけ残ってをるか検索してみると。

○出版タイムス
出版タイムス 第1号 村田勝磨編 新文芸社 1924 14p. ; 40cm 熊本県
戦後版、国会にあり。旬刊。66号(昭和33年9月17日) - 73号(昭和33年12月17日)(欠: 67,69,71号)、
74号(昭和34年1月1日) - 117号(昭和35年1月1日) (欠: 76,77,96-110,115号)
○出版研究所報 昭和四年創刊 帆刈芳之助
所蔵先不明
○出版同盟新聞 復刻:新文化通信社 2001
○出版新報 
○帆刈出版通信 昭和四十二年十月に廃刊
○出版新報 1948.10.18「出版新報」創刊 廃刊
○文化通信
○出版通信
○出版情報
○新聞之新聞
新文化通信 週刊 東京 : 新文化通信社 [1号(昭和25年12月21日)] -
○PSジャーナル 月刊 東京 : 日本法制学会. 1巻1〜5号(1971.1〜5)
○出版時事 旬刊 東京 : 出版時事 [1号][1968]〜969号(平成9年3月28日)
あと、項目が「紙」で立項されているので、とーぜん、出版業界誌であるところの「出版ニュース」ははいらない。ん?(・ω・。) 出版ニュースは業界誌かってか?
ってか、業界新聞〈紙〉か業界雑〈誌〉かで探索方法がまるでちがくなる。そのうへ、同じ逐次刊行物なのに、最初、業界〈紙〉だったのに業界〈誌〉になったり(例 「新聞之新聞」)する例まであるンだから、ヤになっちゃふ。