書物蔵

古本オモシロガリズム

探せん、佐賀潜

それより「恐喝」(昭39、光文社)のほうが、可燃のためにはスパイ、裏切り、犯罪を辞さない総会屋の世界にメスを入れ、自己の力でのし上がった新旧二人の総会屋ボスの、虚々実々の構想を描いて迫力がある。殺人のない推理小説だが、結局は道化にすぎなかった総会屋を操る人物の意外性もから回りしていない。中島河太郎 編. 日本推理小説辞典. 東京堂出版, 1985.9 佐賀潜の項目p,106-107のp.106