書物蔵

古本オモシロガリズム

大阪天満宮の古本市に行った

朝飯


朝はメシ。このまへ泊まった東横インの朝飯はちと木賃宿っぽかったが、こちらは充実o(^-^)o
どて焼き(大阪名物)も食べられた(^-^*)

大阪天満宮


朝もはよから会場へトチゲキす。
ん?(・ω・。) こちらは100円均一がとてもよい。
いろいろとあさる。
こりはオモシロなものをゲット(゚∀゚ )アヒャ

  • 『萬字屋古書目録44号 明治時代大阪老舗の広告資料特輯』萬字屋書店 1969.10

これは広告特輯で、チラシ引札のたぐいが産業別に並んでいる。むふー(*´∀`*) これが100円とはとは。
萬字屋の目録はレファレンスブックとして使えるので、ごく一部の図書館が持っているやうだけど、いま、千代田図書館のコショ目録DBを引くと*1、1950年代から萬字屋さんは目録を出している。現在でも、梅田駅前地下や阪急古書のまちなどにお店があるね。

天王寺とちがってこっちにはヱはないので、あまりきばることなくながす、ってかMさんについていく。
なぜって、かたっぱしから本の解説をしてくれるからね。結構日差しが強く、日向だと日射病になりそうな。。。

このあとも、「大阪府図書館紀要」を拾う。むかしは大きな図書館(県立とか)には「紀要」があって、図書館員は研究論文やちょっとした書誌をものしたものだが、都立も府立も紀要はやめちゃったみたい。こういったものをやめると、職員はてきめんに育たなくなるんだよねぇ。馬鹿になる。国会も『びぶろす』とか『図書館研究シリーズ』などがあったが、もう紀要の機能はないし、いなてっちゃんが活躍した『参考書誌研究』も駄目になるとか。職員ばかになるのでは…。
ひとまわりしたので、休憩所(上記画像左端)で休憩。なんと120円の水を分けて飲む。Mさんがしきりに鼻をすするので、風邪薬をわたしてのんでもらう。
と、わちきの案内で大阪市内の古本屋をはしごすることに。
天三商店街を北上すべ、とて、最初は天満宮ちかくの「空閑文庫」へ。ここはクツをぬいであがる古本屋ということになっとるが、なにやら革命家の隠れ家っぽいいはゆる社会科学の本がワンサと。なにやら1970年代っぽいが、一冊。これまた万字屋書店の目録で明治大正文学特集。

ゆるゆると北上すると、天牛むかいに「天三おかげ館」という町内会事務所みたいなものがあり、そこで古書即売会をやっていた。小規模ながらじつは文学に関しては天満宮よりもこちらのほうが良い品が安いという不思議。さういへばここに入る途中で赤貧古本道のゼンコー氏らがぞろぞろ歩くのにすれちがったけど、こちらからみるほうが文芸趣味の人にはいいのかも。
Mさんがさかんに1000円の大正期随筆がめづらしいと言っていた。ここでもわちきは『書物趣味』と『書誌学的思考』を買う。後者は半値の6000円。ってか、これが古書展で売られているのはじつはあまりない。
このおかげ館のわきを奥にすすむとデザイン専門の「ハナ書房」がある。専門店でおしゃれかつ上品な感じ。値段もおしゃれだが、大阪に来たら寄るのがよいでせう。

むかいの天牛書店に移動。こちらもおしゃれなお店。そこで、「大阪の古本マップ」をもらおうとするも、カウンターまわりを見てもない様子。そこでおかげ館にもどりレジの人に聞くと、なんと下から出してくれましたですわい。
じつはこの古本屋地図が出来たということはMさんに聞いていたのだ。やうやくゲットでけたでち。わいわい。
これでいきなり古本屋めぐりが楽になる。いや、なして大阪の古書籍商組合がこのような古本屋地図を作らないのか、理解に苦しむよ。

この地図があったればこそ、上記のような雑居ビルのなかで週末だけ営業するなんてゆーめずらしいお店にもいけたのだ。

途中、商店街のお好み焼き屋に入る。大阪名物はお好み焼きだからねぇ。Mさんとわけた瓶ビールはおいしかったなぁ。
それからタクって、魔窟のような末広書店へ。
このお店はスゴくって、まず立地が東京でいえば歌舞伎町みたいな歓楽街の中。さらにすごいのは2、3Fが新刊エロ本専門なのだけれど(B1,1Fは一般古本)、そこを突破して(荷物をあづける)4Fにあがると、黒っぽい本ばかりがならんでいるとゆー、商売だか趣味だか陰謀だかわからん構成になっているところ。女性はほぼ絶対この4Fまでたどりつけぬことを断言しておこう。
じつはわちきここまできてすっかりちかれ(酒がまはった?)ちって、活動能力が低下しちまったんでMさんにおまかせ。はじっこのイスでぐったりしとると、Mさんまるで業者みたいに、チャッチャカチャッチャカ本をチェックしておった。すると。。。

これ、いりますか?

と、ポイっとだしてきたのが、な、な、な、なーんと!!!

  • 新聞學習 : 子供に新聞をどう讀ませるか / 岡山光雄著. -- 先進社, 1932

これ、何年かまえから探しとったのに、リアル古書店にもネットにも即売会にもなかったのだ。
500円とは安いなり。この本は、いま、斜陽新聞社が教育産業になろうとしてさかんに展開しとるNIE(教育に新聞を)の先駆なのだ。
もちろんわちきはそんな清く正しい行いの顕彰のために探しとったんぢゃあ全然ない。近代書誌学の確立のためには、新聞や雑誌の記事分類が絶対に必要で、実は戦前に記事の解析をしとったのがこの岡田光雄なのであーる。
びっくりすてすまった。
そのまま歩いて阪急古書のまちに進出し、時間いっぱいまでシャカシャカ。
新幹線を買出し列車につかってリュックいっぱいに闇物資をかかえ、東都についたのは午後9時のことであった…。

*1:「萬字屋」でなく「字屋」で検索すること。おそらくDBのindexを作成するさいの不具合だろう。