書物蔵

古本オモシロガリズム

意外と短い十銭パンフレット時代

「最近における出版界の動向」『出版警察資料』(33) p.1-9 (昭13.8/9/10)
「このパンフレツトは一時は巷に氾濫して、正にパンフレツト時代を作ったものである。(略)それが昭和十三年では(略)〔単行本に対して〕約二分の一以上の減少を示すに至つた。(略)パンフレツトとて皆々つまらぬものばかりではないのであるが、少くともパンフレツト全盛期に巷に氾濫した所謂十銭パンフレツトは、多くは糊と鋏ででつち上げた態のもので、このやうな種類のパンフレツトの減少は文化的見地からはなんら損失でもなく反対に単行本の増加を想ふときは、寧ろ慶賀すべき減少と言へやう。(p.2)