書物蔵

古本オモシロガリズム

『絵葉書世界』(明治43-?)という雑誌

明治期の女記者はめずらかなりとて、畏友オタどんがエントリをUPしとる。
ということでオモシロがってちと調べてみた。
この女記者が所属していたという『絵葉書世界』は、『明治新聞雑誌文庫所蔵雑誌目次総覧』 第143巻(芸術編) 大空社 1997 p.333-336に、「絵葉書世界第二年第八号〔八月号〕目次」と表紙があるね。表紙に明治四十三年七月一一日第三種郵便物認可 とあるので、1910(M43)年7月ごろ創刊かな? 「毎月一回十日発行」とある。

◎世間と絵葉書
◎絵葉書的絵葉書 和田英作
◎絵葉書雑談 美濃部達吉
◎涼味 高須梅渓
▲歌の心を
◎壁訴訟 記者
◎雑俎 数件
◎新刊の栞 数十種
◎名流絵葉書通信 姉崎文学博士 藤波医学博士 岡田法学博士 森島医学博士
▲詩 湘南
◎去の一年鑑絵葉書の変遷
◎絵葉書夜話 市島謙吉
◎簾 井出湘生
◎金絲桃 たちばな
口絵 水彩画技折
挿画 八葉
表紙 秋草

大空者の注記では、発行所「永井三星堂」。発行地「東京市神田区柳原川岸一一号地」、発行頻度は月刊としている。

早大図書館学」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

いまウェブ猫をひくと、大空社の元になった明治文庫と早稲田大学の所蔵が表示される。早大の所蔵詳細については、あらためてWINE(ワイン)を引きなおすと、

頻度 月刊
巻次・年月次 創刊号(明43.7)- ; 廃刊年次不明

こんな注記がついていて、所蔵は1911年の1冊とあるが、これは1号分なのかそれとも第2年分を何冊か合冊したのものかは書誌データではわからない。
帝国図書館には『絵葉書世界』はなかったよう。『雑誌新聞文献事典』にも記載なし。
v.2,n.8目次には、「世間と絵葉書」市島謙吉なんてあるから、早大図に入ったのはその縁かすら。しかしほんに早大のライブラリーってオモシロだねぇ。明治文庫にしかないようなものもあるなんて。毛利宮彦の異才ぶりといい、わちきがつねづね「早稲田図書館学」(W大特有の図書館運営術、や特有の図書館人脈)と造語する所以である。
各種人名事典の横断検索書(レファレンス辞典)たる『日本女性人名総索引』日本人名情報研究会 日本図書センター 2002 に井手百合子はみあたらず。んー、なんとなく目次にある「井<出>」がアヤスィー