書物蔵

古本オモシロガリズム

大東亜文庫(新潟図書館内)とは? →不明(´・ω・`)

オタさんが1944.8.15に設置されたという新潟図書館の「大東亜文庫」について言及しとる。(
http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20070718/p2) しかしオタさんってばほんたうに歴史トリビアを拾ってくるのがうまいねぇ。猫先生に「スメラ民文庫」を引用させちまったのはオタさんの功績では。

正史にない…

とりあえず、新潟県立新潟図書館50年史. -- 新潟図書館, 1965 をチラリと見るも、「大東亜文庫」についての記述は見あたらず。新潟図書館は山中樵が事実上、初代館長といってよいらしい。戦時中は武居権内(日本唯一の図書館<学>史研究者だった)が館長をしていたりする。武居さんは昭和19年に転出しているけど、大東亜文庫は武居さんの業績か? ただご自身は50年史で、戦中のことは思い出すようなことはないぐらいに言っているけど。
オタさんのいう年表は『日本出版百年史年表』のことだろうと思って見るも、見あたらず。いったいなんの年表だろう。しかしオタさんは図書館史、出版史の初見ネタをぽいぽいっと出してくるのぅ。
わちきの予測では、大東亜文庫は、読書会用の貸出文庫か、あるいは拡大アジアの地域資料コレクションであろう。

館報もない?

50年史によれば館報が昭和19年2月の79号まで出ているそうだから、準備段階の事情なんかは載っているかしら(゜〜゜ )年史にも、戦後の館報は昭和26年10月に復刊一号がでたとある。でも戦後のってイデオロギーが切り替わっとるから、戦中のことってあんま詳しく回顧されとらんのだ(*゜-゜)
正史になく、館報もないと図書館の動きは途端につかめなくなってしまうのだ。だから昭和18年、19年、20年あたりのことって、ぜんぜんワカラナくなっちゃうのだ。

新潟県中央図書館報. -- 新潟県立図書館
(国会の)所蔵 1〜63号(昭12.8〜17.10)

Webcatに見あたらず。でもいま、新潟県公共図書館横断検索をしてみたら、ちょっと意外な情報が(゚∀゚ )
県立の所蔵はたしかに「79号(1944.02.15)」で終わっていて正史の記述と一致すんだけど、もう一つの所蔵館たる上越市立の詳細をみると「〜81号」とある。
むぅ、これは。
昭和19年4月号までは少なくとも出ていた可能性きはめて大なりっ(`・ω・´)ゝ
げに恐ろしきは、逐次刊行物の最終巻確認であることよ。
かへすがへすも、帝国図書館の雑誌納本が不能状態であったことが悔やまれるわい。