書物蔵

古本オモシロガリズム

大陸ネタ

図書奉行さんが図書館史ネタで日図研の「図書館研究奨励賞」(森耕一氏の基金による10万の賞金つき)を貰ったという(×o×)
そういえば…
いぜん読んだときの分析があったなぁ…と、ここにうpしちゃお(・∀・)
〜〜〜
とも谷論文
ちょっと分析的に読んでみた。
が… 論文全体がちょっと読みづらい構造。
全体が,「まえがき・本論・あとがき」で,本論が時系列順にならんでいるのだけど… 本論の最初で手持ちのカード(資料ね)をすべて列挙しておいたほうがいいよ。自分がもってるカードはこれとこれとこれ,とさらしておいて,事件の叙述のなかで「これこれが起きた。と,これに書いてある」とやってくれないと,どの資料がどれくらい重要なのかがわからなくて,めったやたらに巻末注にとんでいかないといけない。事実経過の流れが寸断されちまうわさ。


北京で傀儡政権が行った図書の接収について
概要は…
傀儡政権「中華民国臨時政府」(の教育部)と,それを支えた政治団体「新民会」が,北京中の学校・図書館から抗日図書を接収したというもの。
<step 1 接収>
・政府教育部によるもの)
1938.5.4 新民会の要請で,政府教育部が北京の学校・図書館に抗日図書の検査処分を命じる
      (現場では不徹底。それが偶然わかる)
1938.5.7 教育部が再度,学校に同趣旨を訓令
1938.5.26 新民会が廃棄はするなと政府教育部に要請(新民会に引渡しを要請)
      松尾清秀(新民会中央指導部総務部調査科長)の働きかけ(目的は不明)
1938.5.27?  教育部,ふたたび学校に訓令
1938.5.28 新民会が学校へ人を派遣,図書を新民会へ運ぶ
・「清査班」によるもの
1938.6.13〜19 「剿共滅黨運動週間」 ソウキョウメットウと読むらし
 新民会教化部のもと,講演やら映画会やら大会やらが開かれたが,平行して,
 「清査班」が臨時でつくられ,「反日,抗日図書,反新民主義的文書」を没収した。
 この清査班は,新民会が企画したが,実態は日支官憲の合同組織であり(8割が中国の警察)新民会が末端まで指導しきれたわけではなかった。新民会の当事者も,警察活動なのか宣撫活動なのか不明確で困ると指摘していた。
 接収図書は各警察署に一時置かれたあと「新民塾」(新民会の研修所)に集められる。概算で7万冊とされた。
1938.6.29 「同週間座談会」でさまざまな意見
 1点1冊を参考として残し,残りは焼却せよ,いや全部焼却せよ,とか,各機関で審査せよ,いや審査委員会をつくれ(どれも要旨)など。
・新民会調査部調査科によるもの
1938.7上旬? 不明。小規模か。

(かきかけ
剿共滅黨運動報告書 / 中華民國新民會中央指導部[編]. -- 中華民国新民会中
央指導部, 1938. -- (工作資料 ; 第5號)
(かきかけ

くわしく調べてあるのー(・o・;)
けど… 後半の部分にいろいろとオモシロなとこ、ってかかなり危うい突っ込みどころが