書物蔵

古本オモシロガリズム

戦前日本図書館界の西の巨頭、間宮不二雄は偉大すぎ

日図研の出生の秘密をさぐるべく、積読しておいた関連書をななめよみ。

  1. 図書館と人生 / 間宮不二雄. -- 間宮不二雄古稀記念会, 1960  間宮による図書館関係の論文集
  2. 間宮不二雄の印象 / 前田哲人. -- 前田哲人, 1964  丸善時代の同僚前田が半世紀ぶりに再開した感激から作ってくれた本。間宮の知り合い100人近くから原稿をあつめまくり。中村初雄が、教え子のレポートをそのまま出しているが、それが間宮の生涯をいちばんよくまとめたものであるという不思議さもオモシロ。
  3. 圕とわが生涯・前期 / 間宮不二雄. -- 間宮不二雄, 1969  間宮の過去論文集。排列がハテナ。挿入写真はオモシロ。古書市場に後期はよくあるが、前期がない。買うならセットで。
  4. 圕とわが生涯・後期 / 間宮不二雄. -- 不二会, 1971   間宮の過去論文集。排列はやはりハテナ。没後のもの。

いやー、どの本も不思議な本。正確には、(おそらく著者自身による)独特の編集がなされており、読みづらい。間宮のフツーの伝記がわかるのは、ある慶應女学生のレポートというのもへんてこ。
さすがに、反骨のローマ字運動家であることだなぁ、と感慨。
結局、単行本ではヒミツはわからず。

もり・きよしvs.間宮不二雄

ひとつオモシロいことが。
NDCを作った「もり・きよし*1」(森清)が、上記のほんのいくつかで、「書きたいことはたくさんあるんだけど、ここではちょっとしか書かないよ云々(要旨)」といったことを繰り返してるとこがオモシロ。
なにも知らんと、単なるレトリックにしか見えんけど、噂では、恩師・間宮とのあいだになにかあったらしいのだ…。これとは別に、NDCが日図研と日図協の(感情的)著作権争いにまきこまれたことといい、NDCの歴史にはいろいろな逸話が。

*1:この人、自分の名の表記を仮名にしているんだけど、それがなぜなのかは不明。かなもじ運動なのか?