書物蔵

古本オモシロガリズム

ムッソリーニのおかげ?

『イタリア図書*1』(34)をみたら,「特集:イタリアの文化財政策と修復」が。そのなかに,
岡本幸治「製本のイタリア」(p.7-11)がある。そこにこんな一節が…

中世ビザンチン製本の構造調査に関するイタリア語文献〜(中略)〜著者は書籍病理研究所(Istituto centrale di patologia del libro)所長のカルロ・フェデリチ(Carlo Federici)

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 書籍病理研究所!
うーん,やっぱり製本系統の人たちには日本でも知られているんだねぇ。
しばらくまえ,戦時中の丸善『学燈』にここが紹介されていたって話したよね。ムッソリーニが設立したと言う偉大なる書籍病理研究所。ここにupしたとき,ネットで(もちろん原語で)調べてみたら今でも存続してるらしいのでオドロイタ。
先の大戦でいっさいが切り替わった日本からみると,ちょっと不思議。戦争といちばん遠いところにいた帝国図書館だって「国立図書館」と改称*2になったぐらいだし,ってか,よく考えたら

イタリアは戦勝国

だった(^-^;)。実際,United Nations の敵国条項からは除外されとる。 WW1もWW2も戦勝国! WW2の誘引をさんざっぱらつくっておきながら戦勝国! 決して戦争に負けることのないイタリア! まるで IMPERIVM ROMANVM みたいぢゃ。さすがローマ人の末裔だのう。うまい,うますぎる〜 やっぱり悪いことってのは,だれもやらないうちからまっさきにやって,問題視されたらまっさきに率先してやめて褒められる,ってのがいいのだわなぁ。

*1:イタリア書房の広報誌だけど,並列タイトルが「Biblioteca Italiana」。ってこれじゃあ,「イタリア図書館orイタリア文庫」じゃないですか!

*2:実態はまったく変わらないまま。「帝国」という語がよくないとされたらしい。