書物蔵

古本オモシロガリズム

図書館史ブログ記事

わが畏友ピラ友タン,ここ3日ほど図書館史の記事をupしてくれてる。それも仮性図書館本が多い これは得難い(^-^*)

帝国図書館の買出し:『書物捜索 下』(横山重著)から。

これは横山重んとこに松本館長と岡田司書官が本を買い上げたいと女性一人を伴ってやってきた話。戦時中の買い上げは都立の中田邦造のが有名だけど,帝国図書館もまけてない。

智能をひさぐ奉天図書館:『黄沙の楽土』(佐高信著)から

これは衛藤瀋吉の父親,衛藤利夫のヨタ話(^-^*) 利夫さん,筆が滑るからなぁ。「クヮン詰め半生」はたしか田中稲城についての筆禍を(後世の史家に)起こさせてしまった憶えが…
佐高信は,協会から出た丸山泰通・田中隆子編の(簡易)著作集を引いている(本格の著作集はその前に出てる)。
んー こういっちゃーなんですが,この編者のお二人も今となっては図書館史ですなぁ。
田中女史は著作集が出たけど(かろうじて拾えた),丸山泰通氏は,共著で1冊あるきりですなぁ。図書館史の闇に消えていくのか… だれが光を照らすことになるのだろう… 弟子たちか???

中田邦造司書官:『大政翼賛会前後』(杉森久英著)から。

わちき的にはこれ一番o(^-^)o ワクワクしちった。
大政翼賛! いいわぁ〜ひびきが。
以下,ピラ友タンからの孫引き

この運動[青少年読書運動のこと]の最初の首唱者は、中田邦造といって、どこか不思議なところのある人物であった(もっとも、そのころ翼賛会あたりに出入りする人は、みんなどこか不思議なところのある人ばかりだった。中田邦造だけではなかった)。

この本,ほしくなってきた…
全国書誌の索引(NDL-OPACともいう)を引くと,あれま,文学作品のエッセイあつかいになっている。これじゃあ団体名件名「大政翼賛会」でひっかからないじゃないですか!
どこか不思議なところのある人物,中田邦造は,国士なのじゃ!
http://spaces.msn.com/torazou5656/blog/cns!3C7C936CD2D18095!1837.trak
http://spaces.msn.com/torazou5656/blog/cns!3C7C936CD2D18095!1837.entry
↑なぜだかトラバ送れにゃい(´・ω・`)ショボーン

中田邦造の読書運動

ググルと最近,旧途上大系の人が彼について論文を書いたみたいだけど公刊されてないみたい。んで,手許の中田研究者といってよい梶井重雄*1の説を紹介しちゃう。てか自分のメモなのだ。
中田の業績は「図書群」という彼特有の概念を使った読書運動なのだ。
梶井は中田の読書運動論の形成を3つに分けている

1)1926年(30歳)〜1940年(44歳)実践期 おもに石川県立図書館
2)1940年(44歳)〜1949年(53歳)普及期 おもに東京帝大司書官>日比谷館長
3)1949年(53歳)〜1956年(61歳)大成期 IFEL図書館学専任講師・協会顧問

ほんとは,梶井は「実践活動期,普及対策期,理念体系期」って長ったらしい漢語をつかってるんだけど,要旨としては同じ。
京都大学を大学院まで進んで!哲学をやってる(×o×)
なんで図書館業界に流れてきたのかなぁ? それに(ほぼ)いきなり館長になってる。すごー('0'*)
大政翼賛会文化厚生部が出した『文化健民運動資料. 第4輯』(昭和19)に,

第4輯 国民読書の狙ひどころ(中田邦造) 国民読書運動の非常措置(堀内庸村) 青年の読書会について(東田平治) 読書会二年(原太一) 図書選定運動について(足立勤) 勤労芸能研究会の設置(文化厚生部)

なんてあるから(目次をndlopacからコピペ),いちどこのブログでとりあげた東田平治堀内庸村と,彼等の本がでた(昭和18)あと,さらに仲良くやってたことが類推される(^-^*)
とゆーことで,さっそくいま日本の古本屋で東田平治の本を注文(千円だったんで)。堀内庸村はとみれば,ある店が4700円つけてる(・o・;)ホヘー わちきのせいか?
足立勤って人はわからない。ググると「爆死した児童文化運動家」である可能性もあり。ndlopacでは,単行書の著者レベルじゃないと典拠コントロールしていないから,なんとも判然としないのだ。

*1:明45生。昭16新潟県立,昭23七尾市立,昭45北陸学院短大,と「専門家事典」に