書物蔵

古本オモシロガリズム

 ビッグボックス(高田馬場)へいったら

何も拾えませんでした。(;_;)シクシク…
でも… なんと早稲田古本屋街でさがしてた一冊
略奪した文化 / 松本剛. -- 岩波書店, 1993.5 1500円
南京図書大略奪」説を批判していた金丸裕一氏が,図書館史にゃあまともな本がほとんどないけど,その少ないうちの一つとしてあげていたもの。わちきも出た当時に買って読みましたがな。当時の記憶では,とりたててものすごい史料を使ってるわけじゃないけど,うまくまとまってた気がする。書き方も公平だったし。ただ,副題が「戦争と図書」じゃなくて「戦争と図書館」にすべきと思うけど。まったく同じ題名の本があるから避けたのかねぇ。
会計学が専門だった人らしいけど,この本がでてからすぐ死んじゃったのを憶えてるよ…
金丸裕一氏については,そのお友達のブログにちょと出てきた。その友人は『諸君』のタイトルが金丸氏の実証主義的スタンスに反すると指摘しているね。

図書館史の可能性と危険性

金丸氏の論文を読んで(さらに上記の本を買いなおして)思ったのは,

図書館史には

  • 未開拓の沃野が広がっており,まだいくらでもなんでも問題設定ができること
  • 未発見の一次史料こそ少ないが,当時の公刊資料でも丁寧にみればかなり役に立つこと
  • 思い込みや予見でものを言ったり書いたりすると,政治問題になることもあること

だね。
山崎ゲンさんの予見は結果として中国図書館史学に88万冊の大略奪という脳内妄想をうみだしちったわけだし,ひるがえって,『諸君』の金丸論文のタイトルは,金丸氏があたかも第二次南京事件なかった論に荷担しているかのようにみせてしまうというわけ。
このまえの植民地図書館本は,ありゃーいけません。トンデモ本にちかい。具体的に批判を準備中(・∀・)