書物蔵

古本オモシロガリズム

附論 なにかを開発するときに(よくばりな)日本人がよくやる間違い

一般に

ある用途で開発されて優れたものは,結果として他の用途にも使える

ってことはあるけど,

なんでもできるように開発されたものは,なんにもできない失敗作に終わる

のだ。
これは,さきの大戦における軍用機開発に照らしての経験則。
軽戦(軽い戦闘機:格闘戦とか航空母艦用)として開発された優秀機だった「零戦」(レイ戦orゼロ戦)は,さまざまな用途に結果としてつかわれたのは有名な話。けど,その後継機にあたる「烈風」がどうなったか。用兵(発注者)側が「軽戦にも重戦にも使える戦闘機」という欲張りなコンセプトをだしたからたまらない。重戦てのは,一撃離脱戦闘とか爆撃機の邀撃につかう重たい戦闘機ね。結局,どっちにも使えない失敗作になりました。
バカな人にかぎって「あれもこれも」ってやるけど,よい実務者は常に「あれかこれか」とキェルケゴールみたいに考えなきゃいかんのだ。