書物蔵

古本オモシロガリズム

チャンの「件名マニュアル」新版でたよ(って誰も知らないか…

アナウンスメントを見ていたら,チャンの「議会図書館の件名標目:原則と適用 第4版」がでたとあった。(前版もってたんで涙)この,チャンってのはLC(The Library of Congress 米国議会図書館の略。エルシーと読む)の主題標目(分類番号と件名を総称してこう呼ぶ)の専門家。
チャンの翻訳は一冊でてるけど,概論風に抽象度をたかめたもの。この人の本領は,むしろ,マニュアル的個別具体にあり(といっても,きちんと概念整理はできてるから安心)。
図書分類の教科書には,概説はあっても,実際,どうつけているかについては書いていない(だっていま教科書書いてる連中は付けてないんだもん。あるいは,つけやすいものだけつけてる(笑))。
そういう意味でチャンの詳細な説明はありがたいのだ。こんな本が出るのは実際に件名を付与している人間が米国にはたくさんいる証拠でもある。ある論文に憶測として,日本で件名付与をしている人間は100人いないのではないか,という指摘があった。同感なり。
じつは,分類表とちがって件名標目表は日本原産品(NSHやBSH)が普及せんかったんで,日本でも大学図書館なんかじゃ議会図書館の件名を付与してるとこがある。
だから,学者や学生は議会図書館の件名をしっておくと便利だよ。米国の大学に留学した連中は,べつに図書館情報学修士さまでなくても(つまり,法学とか文学とかでも),当然知ってるはずなんだけどね(ホントか)。わてはdomesticな人間なんで行かないだろーし,興味の対象も日本図書館や日本古本屋にかぎられるし知らなくていーんだろーけど,なぜ知ってるのだろー?(笑。
大学図書館員にとっては,必須の知識だからだすね。けどほんとは…