書物蔵

古本オモシロガリズム

 西荻で

布川角左衛門事典 / 日本出版学会「布川角左衛門事典」編集委員会. -- 「布川角左衛門事典」刊行会, 1998.1  2千円 花鳥風月
これ,出てからもう7年もたつのかぁ。日本特価書籍(神田)で並んでた時,ほしーなと思ってたのを昨日のように憶えてるけど。ほんと,ここ数年の自分の記憶がすすんでないのにびっくり。造本が(今の本にしては)非常によいデス。この本,定義上は古書業界でいう「まんじゅう本」になるのでしょうが。
このヌノカワ・カクザエモン氏は出版業界の大物ですね。とくに筑摩書房が破綻したときに管財人になったのが有名です。ここで筑摩がたちなおらなければ,ちくま(学芸)文庫もなかったわけで…。インテリは足を向けて眠れません(笑)。
この本に,山下信庸(ヤマシタ・ノブツネ)氏が「納本制度の原点」を書いている。本の凡例に,これは長いんで別項にしたと。きっと山下さんが張り切っちゃったのね。この山下氏は,収集畑なわけなんすが,「海老沢闘争」の時にたしか考査委員かなんかをしたのをきっかけで,いわゆる「図書館の自由」について本を書いてます。図書館の自由がらみの言説んなかでは,わたしは一番マトモに悩んでる本だと思うよ。その意味で異色の図書館員だと思います。
「特集・饅頭本の小宇宙」『彷書月刊』2000.7 200円 音羽館
編集後記に,饅頭本の定義が。追悼集,遺稿集だけでなくいろいろな配り本も含む,とあります。