書物蔵

古本オモシロガリズム

『すずめの戸締まり』を見る

本が当たって忙しくなり、さらに介護にまきこまれ、とにかくこのままでは映画を見に行けないとて、むりやり予約を入れて『すずめの戸締まり』を見に行く。直前に本の差し入れで筋斗雲をかっ飛ばす。我ながら何をやっているんだか。
映画は2時間越えのアニメ。言わずとしれた新海誠監督作品である。12年前の東日本大震災がモチーフとなっていて、ひさびさに地震速報の驚きを思い出したことだった。映画としては80点くらいか。要石だった猫が逃げ出した動機やその親猫?がもちっとはっきりした動機が書かれていたらよかったかも。あと、ルージュの伝言など名画の引用がちょっとわかり易すぎのような。嫌いではないけどね。
それはそうと、途中、よく分かる場所が舞台になっていて、あゝここはいつも車線を曲がりながら追い越し車線から走行車線へずらさないと行けない場所だ、とか、そういやぁ赤い中古のオープンカーで走り回ってたなぁと自分の過去を思い出したことだった。
12年前の津波で2万人以上の人が一度に横死して、それを題材に正面から映画をつくったのは偉いと思う一方、わちきにとっては昭和20年3月10日に3万人以上が一度に横死した話をさんざん聞いて、かつその現場となった小学校に通ったので、天災と人災と、どちらが戸締まりしやすいだろうなどと、ちょっとズレた感想を持った。