書物蔵

古本オモシロガリズム

「相変わらず歯切れよ」いが「具体的なことは語ら」ない図書館論

出版界の話をのっけてほしーのに、最近、図書館論、それも指定管理反対説ばかり載せる『出版ニュース』ぢゃが。
そんななかでバランスのよい―旧守派出自なれど改革派の問題意識も併せ持つ―嶋田学氏の連載がある。

今回は滋賀にお出ましになった前川恒雄御大による講話、その解釈をしてをるのぢゃが…。

前川さんのお話は相変わらず歯切れよかった。

だが、

具体的なことは語られなかった。課題があるというニュアンスのことを話されたが〔略〕

ポイントは、

滋賀の図書館についてだけの話ではなかったが、貸出の多寡を巡る競争について話が及んだ時だった。「〔略〕貸出はただ数が多ければいいというものではない。どんな本を利用者に届られているかだ」

と。
根本彰先生が1990年代から指摘しているやうに、端的にいって価値論の枠内での要求論だということ。
中小だか市民のだかにある、主婦がヘーゲルを読むようになる、てふのは、前川先生の理想。