書物蔵

古本オモシロガリズム

「大正六年、元京都市図書館員数人が密かに共謀して夥しき猥褻本を」

小林鶯里 著. 出版界三十年. 文芸社, 昭11. 222p ;720-108
うーん、イマイチだなぁ。でも拾へる記事が散見される。たとへば…

秘密出版の激増
 大正六年、元京都市図書館員数人が密かに共謀して夥しき猥褻本を刊行した事件を始めとして、此種の秘密出版を為す者増加し、盛んに風紀を害しつゝあったは嘆かはしき次第であった〔。〕従来この種の刊行者は無学無職の徒輩が営利的に出版したのであるが、この頃は相当教育或る知識階級の者が之を企つるやうになり、其の手段等を頗る巧妙になり、当局が其の発行人の捜査にも困難を感ずる様になった。秘密出版を為す者の常手段とも云ふべきは、発行所、発行人〔、〕印刷所をあいまいにして他人名義にて新聞広告を為し、申込者への配本も書留郵便か、近傍なれば自転車で一々配本し、猶人目につかぬ裏表紙などへ番号を付し、検挙された場合、たれの手から発覚したかと云ふことを知る手段を執って居た。印刷所の取締が頗る厳重となったところから、謄写版を用ふる者が増加した。

むしろ、謄写版の普及で猥褻本の秘密出版が増加したのでは(σ・∀・)σ ちやうど、デジカメの普及でネットにエロ画像が満載になったやうに。
それハさうと、さすがに鶯里だけあって、秘密出版のノウハウに詳しいね(σ^〜^) 「猶人目につかぬ裏表紙などへ番号を付し、検挙された場合、たれの手から発覚したかと云ふことを知る手段」なんザ、平成の裏ビデオみたい(・o・;)
しかし、「大正六年、元京都市図書館員数人が密かに共謀して夥しき猥褻本を刊行した事件」ってナンダロ(。´・ω・)? 知らんなぁ(σ^〜^) いまヨミダス聞蔵を見てもでてこない…(´・ω・`;)´´