書物蔵

古本オモシロガリズム

ぬれ手にアワ?

  • ぬれ手にアワのリスト屋商法 : 金儲けのためには手段を選ばぬ調査界のもう一つの顔 / 武代典矢. -- 啓明書房, 1976

この本、フシギな本でさぁ… 国会をはじめ諸大学、県立、指定都市立のどこにも所蔵がみあたらないんよ(*´д`)ノ
でも、国会会議録で言及されとる、当時としては結構有名な本だったらすぃーのだ(。・_・。)ノ

衆議院会議録情報 第087回国会 予算委員会 第16号 昭和54年2月21日

○矢山委員 (略) 次にお伺いしたいのは、五十年の十一月に第一の地名総鑑が発覚いたしました。それから現在までに大体九種のこの種差別文書が出ております。しかも、その内容にわたっては申し上げませんが、きわめて悪質化の傾向にあるところであります。そしてまた、私の知っておりますところでは、この地名総鑑等の続発に対する真相の究明は余り進んでいないようであります。私はこれでは、ほかに差別文書があるのかないのか、あるいはほかに購入した者があるのかないのか、あるいは今後このような差別文書が出てくるおそれはないのかどうか、こういう点、はなはだ心配なのであります。
 たとえば、「ぬれ手にアワのリスト屋商法」これは啓明書房が出した本であります。著者は武代という人でありますが、この中を読んでみますと、現在各興信所の金庫の奥には「日本の部落」、「地区別部落民名簿」といったような書類が秘蔵されておると指摘されております。そしてまた、大方の大企業の人事部にはこうした差別文書が用意されておるということも指摘されておるわけであります。しかし、真相究明が進まないで、しかも資料入手先が突きとめられておらぬようないまの状態では、そういった「ぬれ手にアワのリスト屋商法」の指摘を待つまでもなしに、私はこうした差別文書はまだまだ出てくるのではないかというふうに思うわけであります。これに対して、法務大臣はどう思っておられますか。

参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第一分科会 第3号 昭和54年3月30日
○小野明君 法的な規制の問題についていまのような憲法上の問題がありますことは私も承知をいたしておりますが、しかし、それを乗り越えていろいろ御検討されておるということも局長の御答弁で承っておるわけでございますが、ここに、大臣、また「ぬれ手にアワのリスト屋商法」武代典矢ですか、こういう本が出版をされておるわけです。これを読みますと、リストの種類あるいはリストづくりの組織と実態、かなり詳しく克明に暴露されております。これはごらんになっているかと思うんですが、私も読んでみましたが、かなり信憑性の高いものだと言わざるを得ないと思うわけですね。これによりますというと、リスト作製、つまり人別帳の作製に当たりまして情報の収集源は警察や公安関係であるということはほとんどもう間違いがない、その関係筋からこのネタが流されておるということが明らかにされておるわけです、この「ぬれ手にアワのリスト屋商法」というものによりますと。事実、地名総鑑の場合も警察あるいは公安関係から資料が提供されておるという疑いが持たれているわけでありますが、局長の御見解はいかがですか。
○政府委員(鬼塚賢太郎君) ただいま御指摘の図書がありますことは私どももっとに把握しておりまして、ただいま東京法務局におきましてその著者などについて調査いたしておるのでございますが、それによりますと、その著者自身が何か体験したとかというようなことではなくて、いろいろな情報を聞いて、それをそのように記したということでございますので、そのようなことがどの程度まで真実であるかということについては、まだちょっとわからない状態でございます。
○小野明君 私ども見ますと、まあ伝聞かもしれぬ、いろんなところで情報を収集して書かれたものでしょうが、かなり信憑性の高いものというふうに判断せざるを得ないわけですね。それで、興信所とか探偵社の顧問あるいは経営者には、元警察官とかあるいは元公安官などが非常に多いと聞いております。今日この種の職業に従事しておる元警察官あるいは元公安官の人数や実態等について局長の方で掌握されておるのかどうか、これをお尋ねをいたしたいと思います。