書物蔵

古本オモシロガリズム

貸本屋研究への扉がひらかれた?

  • 山田英生「貸本マンガとその周辺;1」『ちくま』(512) p.64(2013.11)

貸本屋について、「あまりにも日常の暮しにひっそりと根づいていたからなのだろう」、「貸本屋の店頭の後継を記録した写真は極めて少ない」という。
んー、たしかどっかの交換会でひろった貸本屋店頭を撮った生写真があったやうな…。
山田氏(編集者・ライター)はいまのレンタルブックと違って、貸本屋は貸本専門の本というのがあって、そのなかに貸本マンガがあり、そこから傑作がうまれたという。いまの貸本は、ただのフツーの流通本でしかないということか。
代貸本屋については、じつに金沢文圃閣の資料集が出始めるまで、ほとんど資料がなかったと言ってよいのではあるまいか(まあ、業界紙の復刻はゆまにがしたが)。また、このまえ文献継承を送ってもらったなかにあった内容見本に、貸本関係文献書誌があったけど、これももまた、貸本屋を研究するうえで必須のもの。
資料集といひ書誌といひ、それらを蒐集、編集せる大竹さんの、比類なき業績もさりながら、それが――超、少部数とはいへ――出版されるということに、ありがたみを感じてしまふなぁ。
ってか、文献書誌の本体部の排列は刊行年代順になっているというから、じつはこれ、貸本屋年表としても、使えるハズ。限定的なジャンル、主題にしぼった書誌、とくに雑誌・新聞記事レベルまできちんと採録し(ってか、OPACがは、たしかに年代順にすると、同時に年表としても機能するっちゅーわけだぁね(´∀` )
ん?(・ω・。) 内容見本にはそのことが書いてない…(o・ω・o) もったいない(σ^〜^)