書物蔵

古本オモシロガリズム

怪文書の感想

すでに図書館とは無関係に形成されている既存のご自身の考えに、図書館情報学におけるハヤリ言葉をちりばめた、とゆー感じ。
だから部分的にはオモシロい指摘もあるんだけど、全体としてはあまり感心しない。このようなものを情報学の学者先生たちは本当に大論文とお認めになるのかしら(゜〜゜ ) だとしたら情報学って一体…( ・ o ・ ;)
基本的に1970年代の無人図書館論とまったく同じ。場所としての図書館や、紙の本の集積の機能は想定していない。だから、著作権法さえなければ公共図書館は要らない(もちろん、逆の論理で――著作権があるので、国会図書館電子本閲覧所として公共図書館が必要と――書いてあるが)とアッサリ言えちゃっている。
こんなん意味あるのかしら、とMさんに言ったら、そりゃあ事業主管者としてのインパクトはあるんでせう、と。んでも、これ怪文書ですよ、だって誰がどのようにオーソライズして頒布してんのかさっぱりわからんのだもの。世が世なら不穏文書臨時取締法で懲役2年スよ。わかってんのは書き手の名前だけぢゃないスカ、だいたい、大臣が個人名で怪文書なんか出しますか、と言ったら、さうかぁと。
Mさんはまったく違う方面からご批判。これ、文献注ぜんぜんないよね、今までいろいろ批判もあったと思うけど、それに全然答えてない。それに答える形をとらねば、主張としても説得力を欠くなぁと。
さすが、文献注の歴史に興味がある人だけのことはある。
いや、いいことも書いてあるんよ。基本的に公共図書館の場所としての意義を認めないながらも、地方人のネット出版の作業場としての公共図書館とか、あるいはネット上のレファレンス・サービスの話とか。
ただやっぱり基本構造は無人図書館論なんだよなぁ。
NIIをつくった井上ひとし氏のこれがその代表。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002731147
しかし無人図書館論に立脚した政策ってそもそも場所としての図書館機能を認めないものなんだから、永田町立の機能さへ認めないことになるんだが、それであそこの職員は納得すんのかしらん(゚〜゚ )
ってか読んでもワカランってか∩(・∀・) ∩ いや実際この怪文書、前半はまったく無意味(別にここに書く必要もない常識ということで)だったり、ギョーカイの流行りことばが本論とは比較的無関係にちりばめられとるから読みづらいとゆーか、撹乱的ではあるんだよなーぁ(*゜-゜)
もちろんこーいった出所不明の怪文書の正しい用法は知ってるよね(o^ー')b
毛語録のやうに使ふ。