書物蔵

古本オモシロガリズム

北支派遣軍の『東亜新報』(昭和14.7〜昭和20)

『東亜新報』(昭和14.7〜昭和20)は北支派遣軍が既存の現地日本語新聞を解散させて作った宣伝用の新聞。

  • 東亞新報おぼえがき : 戦中・華北の新聞記者の記録 / 東亜会編. -- 東亜会, 1984

これを読む。結構オモシロい。拾った本の見返しには万年筆で、社主や主筆の悪口が書いてあり、さらにオモシロ。書いた前の持ち主は、どうやら当時、北支にいた日本人みたい。

昭和五九・五・二二/於内山書店/購入当日読了
誤多く資料価値少し/使用の際は注意すべし
新聞記者たるものにして これだけの初歩的誤〓をするに いかりあり/言なし、★
★特に不愉快なるは/中国を知らざること、/及び、在中日本人としての基ソ的な心得をもなきことなり/こんな連中のものを読んで/いた当方も又不愉快なるも、/徳光 高木など幹部の/デタラメさに いささかの/感、過去になきにしもあらざる/も、やはり 然りとの/感あり、これ大いなる原/因ならむか。

これもオモシロ。上記カキコの「徳光」というのは、徳光衣城(東亜新報社社長)、高木は、高木健夫。
書中で『東亜新報』が保存されていないとなげいているが、いま見ると、どうやらどっかに所蔵されていたもののマイクロが国会にあるようだ。

  • 東亜新報 [マイクロ資料]. 〔山西版〕. -- 東亜新報社太原支社. -- 所蔵 昭18.8.4〜昭20.4.17

買った時、森さんに注意されたのでわかったのだけど、『東亜新報』の主筆って、高木健夫なのね。って

を書いた人。新聞小説を調べるには必須レファ本なのだ。
一時期、紀田順一郎先生が、レファ本編纂の歴史を書いていたけど、

わちきもあんなの書いてみたいなぁ…(*゜-゜)