書物蔵

古本オモシロガリズム

図書館をこぼつのはアッパレ文学者!……か???

『現代の図書館』45(2)を読んでみた。「小特集:図書館資料の汚破損―利用者のモラルと公共財のリスクマネージメント」
感想。
・汚破損を不快に思う利用者からの提言(諸橋孝一)
 この雑誌にしては破調のエッセイ。著者の指向というのは基本的にはモラル論で、メディアや小説などの流行りをとらえてうまく公衆関係をつくれという提言はまったくそのとおりであると思うが、わちきの趣味としてはこの人があまり論じなかった方向のことを知りたいな。同著者の単行書のほうが論文的。
・図書館のモラルを生き延びる道を教えよ―新聞投書に見る図書の書き込み・切り取り問題と公共意識の変化(小泉徹)
 新聞記事などの短期的分析。
・図書館資料の汚破損と無断持ち出しについて(山口由美)
 東図書館(宇都宮市立)の被害本展示「本が泣いています」。「1998年頃」から。いまはしていないようだ。別件だが盗難はICタグで解決したという。
ジョー・オートン―本への攻撃/社会への攻撃(矢島直子)
 なんだか不思議な論文。同性愛文学者Joe Orton(1933-1967)が公共図書館の本の窃盗で懲役をくらった(ca.1962)、というところが関係? って著者自身が懲役の文学への「影響は〜ない、と思う」と書いてある(・o・;)
なんだかエッセイや文学評論とかで破調な特集である。。。

書盗文学者

この最後の、「図書館から本を盗んだ(ことがあきらかな)文学者」って日本にもいるじゃない。
そう!
今度の「全国図書館大会」で、基調講演をするあの人ですよ! 遅筆堂さんですよ。
だって、ご本人がご本人の本に本を盗んだってはっきり書いてあるじゃない(゚∀゚ )アヒャ 
と、ちょっと典拠をしらべないとね