書物蔵

古本オモシロガリズム

「図書館コンシエルジュ」と、「レファレンス・ライブラリアン」

Yahoo!辞書にこんなものが立項された!
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&pagenum=1&index=2007000482

図書館コンシェルジュ (としょかんこんしぇるじゅ)

  • 社会 -2007年8月29日

(略)それを東京都の千代田区千代田図書館が移転開館したのを機会に設置している。フロア中央の貸し出しや返却のカウンターとは別にコンシェルジュデスクを設けて、来館者からレファレンスなど本の問い合わせがあった場合には司書の部署を案内するのはもちろんのこと、館内ツアーの引率、付近の古書店街や文化施設の案内、さらには散歩コースやレストランの案内など千代田区との連携を強めた案内を行っている。
コンシェルジュは司書の資格はもたないで図書館職員があたっている。図書館でコンシェルジュを設けたのは千代田図書館が日本で初めて。

最初、図書館コンシェルジュ(library concierge)は、reference librarian(所謂レファレンサー)がやっとるのかと思ったら、上記を読むと、そうではないみたいね。レファレンスは司書へ廻すとある。専門用語でいう「レフェラル・サービス」をしているよう。
ちなみに、"library concierge"という複合語は英米にはないみたい。ググっても用例そのものが少ないし、シンガポールとかの例ぐらいしか出てこない。
おそらく、英米の図書館員は、「よろず相談」をうけるのが当たり前すぎるからだろう。たまに、「資料に依拠しないものは答えられない」ぐらいのとんちきなことをいう人がいるけど、サカサ。
業務独占が法定されとる以外のことで、常識的に答えられるものは答えてもいいはずなのだ。よろず相談にのる、そのなかで資料に依拠して答えたほうがいいものは、レファレンス・クエスチョンとして、主題担当に答えてもらう、というのがおそらく英米のありようなのだろう。日本図書館業務の後進性を見る思い。