書物蔵

古本オモシロガリズム

代謄写の定義

ぬぁあーんと! 「以印刷代謄写」の定義が見つかった!
もちろん、「以印刷代謄写とは、かくかくしかじかである」という記述ではなくて。
<ちょっとした論理操作で定義になる記述>を見つけたということ。
残念ながら、原資料は未見なのだけれど、そこから引用されている記述が、そのまま代謄写の定義になることに気づいたのだ!`・ω・´)シャキーン
現代圖書總目録 / 協同出版社編纂 ; 昭和19年版. -- 日本出版配給株式會社, 1944
これは、それまで出ていた『図書総目録』(東京書籍商組合)に続くもので、昭和15年の第9版のつぎに出る予定だったらしいものが、「戦時下でその刊行が頓挫した」たんだけど、S13〜S17の新刊・重版が、満洲のまで含めて記載されとるとゆー資料性に気づいた日配(にっぱい)が出したものだったそうなのだが。
この、分厚そうな目録に、次のような文言があるという。

「謄写に代わる印刷として非売品として極く少数を限定し製作するに至った」

と。
この文言の前半は、そのまま「以印刷代謄写」と同じ意味を逆順に言ったもの。
とゆーことは。
当時、これを書いた日配関係者にとって、

<以印刷代謄写>とは、限定配布のため、少部数しか刷らない非売品の印刷物

と認識されていたという証言になるのじゃ。
文献:牧野正久「年報『大日本帝国内務省統計報告』中の出版統計の解析(下)」『日本出版史料』2(1996)p.39