書物蔵

古本オモシロガリズム

KBS

たまたま立ち読みした写真史の本にレファ史上の一つの流れをもつKBS(国際文化振興会)のことがさらりと。
・報道写真と対外宣伝 : 十五年戦争期の写真界 / 柴岡信一郎著. -- 日本経済評論社, 2007
KBSが持ってた「フォト・ライブラリー」についての研究。
先行文献への言及がないから、(戦前の)KBSについて研究はないのかと思ったら、雑索でそれなりにあることがわかり。なんだ、あるんだ。それも岡村氏なんかも目をつけてるんだ。とメモ。
・戦前期海外の日本図書館と国際文化振興会 / 岡村 敬二
  大阪府立図書館紀要. (通号 28) [1992.03] p15〜47
・思想戦としての国際文化交流--戦前の国際文化振興会の活動を巡って / 高橋 力丸
  社会科学研究科紀要. 別冊. (2) [1998] 95〜115
ところで、KBSって1934(昭和9)年4月に設立されていまもあるんだけど、国際文化会館とは違う組織みたい。混同してたよ(^-^;)
こんな本もでてるようだ。
・近代日本と国際文化交流 : 国際文化振興会の創設と展開 / 芝崎厚士. -- 有信堂高文社, 1999.8
館界に入る前の志智嘉九郎が、戦中北京でやってたのも、このKBSがらみの文化事業だったんだねぇえ(*゜-゜)
志智嘉九郎、薬袋先生の文献で「ほめまくり」だったよ
で。
わちきも賛成なり…
志智を、せまいせまい図書館言説空間上から抹殺したのは1970年代貸出成功派だったわけだが…
図書館界ってつくづく、多様性を排除しようとする、ファッショ体質だのう(*゜-゜)
ファシズムというのは、民主とか人民とか総統とか天皇とか、の問題じゃなくて「正しがりズム」の問題だね
実態というものはごちゃごちゃしながら進むわけで、とくに歴史学に正しさなんて持ち込むとろくなことにならんですわい(*゜-゜)

追記 KBS→Japan Foundation

外務省の隠れプロパガンダ*1、… じゃなかった(^-^;) 広報機関たるKBSが、いまどうなってるのかは知らなんだ(^-^;)
そしたらウィキペディアの「国際交流基金」の項目に継承関係が載ってた(・o・;)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E4%BA%A4%E6%B5%81%E5%9F%BA%E9%87%91

1972(昭47)特殊法人国際交流基金」設立。(財)国際文化振興会(KBS、1934年創設)を母体
2003(平15)「国際交流基金」廃止、「独立行政法人国際交流基金」設立。民間出資は無くなり、100%政府出資

こんな感じらしい。
平凡社の百科事典や、国史大辞典には載ってなかったですよ(´・ω・`)

*1:わちきは、広報とプロパガンダは、本質的に同じと考えておる。もちろんそれは、だからウソを言っていいということではもちろんない。方法論的に近似ないし一致してしまうだろうということ。