書物蔵

古本オモシロガリズム

8/11の日記 ただすのもり突撃〜

朝飯もそこそこにバスに飛び乗る。糺の森というバス停で降りると,おじさんたちが林の方へ吸い込まれていくんで後を追う。
ちょうど開場数分前でした。開場前からみなさん100円棚の周りをうろうろ。
開場と同時にみんな突撃したので,わちきもマネて突撃〜

図書館用品会社と初期の館界

さっそく4冊も図書館本買えました。
日本図書館研究会40年史年表』1988 ほか3冊
もとの持ち主の名前入り。
この団体の略称は日図研(にっとけん)という。50年史もでているけど持ってないねぇ。今では一見,貸出中心派の牙城と思われてるけど*1,機関誌「図書館界」の最初の題字が新村出の揮毫であるとか,それは同志社大学小野則秋の依頼によるものであるとか,初期のころは教養主義的だったんだなぁ。おもしろい。ほかにも戦争直後に「日本図書館学叢書」を出した「京都出版」の後身が現在もある図書館用品会社「規文堂」であるとか,知らんかった。
すくなくとも出版物の上からは,昭和20年代前半の図書館界をリードしてたのだなぁ日図研。それに,これまた図書館用品会社の伊藤伊の支援をうけていたことや,団体の前身「青年図書館員連盟」が間宮不二雄の全面的支援をうけていたことも考えれば,用品会社と昭和期館界との関係っちゅーのは見逃せない。
今ごろになって「図書館用品を保存しよう」ちゅー運動がでてきたけど…, 友人にいわせれば「なにをいまさら…」 わちきに言わせるとピッタリ10年おそい(^-^)。
PCとinternetの普及をうけて,1990年代の半ばから後半に,由緒あるものも含め図書館用品は大量に廃棄された。実務者が窓口官僚制にもとづいて「館界の連中がさわぐ前に廃棄しなけりゃ(趣旨)」と言っていたことを思い出すよ。窓口実務家は図書館用品の博物館資料としての価値に気づきつつも,その価値を守るための煩雑な事務を回避したわけ。そーゆー意味じゃあ学者先生より窓口実務家のほうが(ずる)賢かったんだわさ。(そういえば,いま,国立コドモ図書館になった上野の図書館だけど,「図書館(用品)博物館」にする案もあったらしいけど… あれはどーなっちゃったんでしょうねぇ)これで思い出したけど,きちんと機能する「辞書体目録」ってのも某大図書館学資料室にあったみたいだねぇ。カードの繰り込みはもう止めちゃったかな?

さらに図書館本 加藤宗厚2冊も

100円だなで3冊も拾え,幸先よいなりとさらに歩く。
あつい… あづい… あついなりっ! うーん尋常でないよこの暑さは。曇ってんのに… そうか,京都は冬寒く夏暑いと聞いてたけど,要するに「すごく暑い」のね。みんな団扇持ってるし。ブログで「虫除けスプレー必須」と親切にも教えられて助かったけど,わちきは「扇子か団扇も必須」と申しておきましょう。タクシーの運ちゃんにゃ「夏,京都に来るもんじゃない」といわれるし…
クリヤーケースを団扇がわりにパタパタはたきながらひたすら目は本箱に。
おっとありました図書館本。
図書分類法要説 / 加藤宗厚. -- 改訂増補版. -- 理想社, 1959 500円
うーん。なぜだかこれも高いんだよねー。ってかこの異版はこれでほどんとそろった。
書誌学の話 / 幸田成友. -- 青裳堂書店, 1979.6. -- (日本書誌学大系 ; 7)  箱なし9000円
これも買っちった(^-^;)
いろいろあるなぁと歩いていたら,なんとこんなものが!
図書の分類 / 加藤宗厚. -- 理想社, 1949. -- (図書館実務叢書 ; 第3)  500円
むはー,これは今回最大の掘り出しでは。『図書館実務叢書』完揃い達成もまぢか?

糺の森,総括

よーするに,エトランゼには暑すぎるという点も含めて基本は「地元民への奉仕」ってとこだろうと。だから自他共に認める良書稀書はない。けど,わちきみたいに一般人にはゴミでしかない領域の本をみつけるには,実は結構いい。とくにわちきの蒐集領域は教育学の周辺領域に位置づけられるんで,ちっと前のインテリ蔵書や教員養成用の教科書が結構でてくる糺の森は金鉱脈みたいなもんなのだわさ。\(^▽^)/ワーイ
汗だくで行ったかいがあったというものだす〜
(8.12日記へつづく)

*1:実は必ずしもそうではない