書物蔵

古本オモシロガリズム

 南京(図書)大虐殺の記事で図書館トリビア

やっとのことで,くだんの記事を入手。日曜版は本紙の日曜のとは別にありますからご注意。ついでにいえば,日曜版は縮刷の冊子の最後にまとまってありますんで,これもご注意。
それにつけてもありがたいのは,新聞の縮刷版。
ま,カネ出しゃあ新聞記事もネットで(ある程度なら)手に入るけどね。ちょっと前の記事はもうないし。新聞記事の「版面」の重要性については一度,書いたっけ。
地方誌・紙マニヤの友人Bが大昔,言ってたことを思い出す。「朝日など縮刷版があるものは(現在から省みて)たたかれもするが,サンケイは縮刷版がないので参照しようがない。(冷戦構造を反映して朝日同様)じつはかなりトンデモだったのではないか」と。
そういえば,1960年代のサンケイ記事をさがして,マイクロ・フィルム(リールですよ!)をぐるぐるぐるぐる…とまわしつづけたことあったよ。マイクロでもあったから,まだいいけど。
それはともかく,記事のことだけど
終戦の日の特集,見開き2面のかなり大きな部分(中央)を占める。原紙ならちょうどA3に収まるぐらいの大きさ。
本文は青木実(元・満鉄図書館員)の回想ではじまる…

(略)私たちが仕事をしたのは紫金山をすぐそばにのぞむ,南京城内の地質調査所でした。石造り三階の巨大な建物のどの部屋にも大変な量―当時七十万冊ともいわれていましたが―の図書,雑誌がうずたかく,天井近くまで積まれていました。仕事というのは,その一つ一つを整理・分類すること。といってもこの量ですからこまかくはできない。十進法の図書分類法にしたがって白墨で表紙に00とか03と書くと,やとった中国人苦力(クーリー=下層労働者)が指定されたところに運んでいく(略)

と読んだところで,とっても疑問が… といっても図書館トリビアみたいなもんだが。ここで使われた十進分類法って,どの分類法なの?どうやら森清(もり・きよし)の日本十進分類法ではなさそう…
ところでこの記事を批判した金丸氏の関連する他の論文はネットでよめる。