書物蔵

古本オモシロガリズム

 戦前の図書館員たち

太田為三郎は随筆索引で名がとどろいてますね(^-^*)
実はほとんど知らなかったりして…
この前買った弥吉光長架蔵本,『図書館研究』の特集号「太田先生記念ショロクケンキヘン」には何か載ってるかしらん。
書簏研幾編. -- 芸艸会, 1934. -- (図書館研究 ; 第10巻)
でももう眠い〜し,どこにいったか本だらけ…
またの機会に…
でも,戦前の図書館員ってスゴイよ。なんでもできちゃうしやっちゃう人が少しだったけどいた。太田為三郎なんかもそーだね。
国会のOPAC引けばわかるけど,随筆索引を皮切りに地名辞典,目録法,さらにはOPACでは明示されないけど分類表まで。図書館技術をほぼくまなくやっているよ。
和漢洋図書分類表 / 千葉県図書館協会. -- 宝文堂書店, 昭和8  昨年の夏かな,高円寺の古書展で1500円で拾った\(^▽^)/某所では1万以上する…
なになに〜

此種のものには先に森清氏の日本十進分類法がある。彼も此もデウヰー氏十進分類法を応用したのは同様ながら,森氏のはデウヰー氏法を訳して,之に和漢書を嵌め込もうとしたので,学問の系統構成を琴にする和漢書の分類には,〔木へんに内〕鑿相容れぬ所があつて,遺憾の点がないでもない。然るに此分類表は(後略) 昭和七年十月 太田為三郎 (上記,序より)

なるへそ,日本でde facto標準になった分類(NDC)がまだde factoに成りあがる前の評論ですな〜ふむふむ。
NDCが成り上がる歴史についてもそのうち暴露するだす〜剣呑剣呑
デウヰー氏ってのは,ジョン・デューイ(教育家,哲学者)じゃなくて,Melvil Dewey(1851-1931) (図書館屋)ね。
手に負えない改革者 / ウェイン・A.ウィーガンド[他]. -- 京都大学図書館情報学研究会, 2004.9
この人は一種の畸人だったことがこの訳書でわかるはず(すげー高いけど。8000円ね)
変なところでは,綴り字改革論者であった,と言えばわかってくれるかなぁ
文字改革運動は別に日本語だけじゃあない。
以前,DDCの古い版をつかったら,簡略綴りで往生したよ。philosophyをfilosofyとか。漢字とおなじで,こちとら文字をゲシュタルトで認知する癖がついてるからね。でも英語もぜんぜん発音どおり表記してないってのがよくわかる。