書物蔵

古本オモシロガリズム

関根喜太郎まとめ記事(のつもりだったが)

先行文献

日外の人名事典(1997)には、生没年不明で立項されとるだけのアナキスト関根喜太郎
ぱるの人名事典(2004)では、生没年不明ながら、関根康喜、荒川畔村と同一人物であるとされている。
で、これを出版史研究業界?に知らせたのが小田光雄さんの連載「古本屋散策」『日本古書通信』だったのだが、それにいろいろ付け加えたのがブログ界の大東亜トンデモ学研究者(トンデモ学者に非ず、トンデモ学研究者ね)である神保町のオタさんであった。

オタどん研究

オタさんは「桜澤如一関根康喜関根喜太郎)」ほか一連の記事で次のようなことを明らかにした。
『書物展望』にさかんに投稿していること。昭和13年当時は、日本読書新聞社の総務部長だったこと。それは、「日読紙浄化運動」の一環だったこと(金亨燦『証言・朝鮮人のみた戦前期出版界』(出版ニュース社、1992))
(社)食養会の会長だったこと。これにはどうやら国家主義的な側面もこれあり。
戦後は、文教出版 火星社 農業書院 星光書院 などもやっていたこと。星光は関根の別名(またですかぁ(・∀・))だったのではないかとのこと。
わちきも及ばずながら、文協事件(1942)がらみの怪文書に関与していたことを、金沢文圃閣が復刻した『文協改革史』の記述から拾ってみますた。

関根さんってば、あやしすぎ(・∀・)

だいたい、関根さんってば、名前いくつ持ってんの? 分かりやすすぎるほど、あやしすぎ。
上記、小田さん記事(2005.7)によれば、成史書院のほかにも、尺土社、悲しき玩具社、関根書店、虚無思想研究社、入門書書店などがあるという(成史、セキド、関根、虚無以外の出版実績は主要3OPAC(後述)に見あたらず)。南都麻綾杉(なんとまあ・あやしすぎ)ってな名前をたてまつろうかしら。
生没年不明で自殺したというウワサがあるらしいけど、戦後の出版活動が1951年ごろを最後にしているから、それまではご健在だったと考えるべきかしら(゜〜゜;)
なにか新聞記事でもないかと『朝日新聞人名総索引(第2巻)』(日本図書センター2004)には見あたらず。
ちなみにヤスノブというヨミは、NDL-OPACに従った。

ところが…

などとのん気に書いていたところ、いろいろ新しい材料があつまり、これではおわらなくなってきた(^-^;)
だいたい、「康喜」をヤスノブと訓んではいかんらしい。ってやっぱりNDL-OPACはあまり実証的でないのだなぁ。気をつけねば。
乞うご期待。

予告
関根喜太郎から見たジョージ・オーサワ!
妙に羽振りのいい成史書院の秘密
関根喜太郎=自殺説の典拠があった?!!

主要3OPAC【しゅよー・さん・おーぱっく】

日本国内の主たる3つのOnline Public Access Catalogを、こんなふうに呼んでみた。わちきの造語。どうせ造語だから、3opacとかって略しちゃおうかしら(^-^;) てか、これら3つが横断検索できるようなサイトがあればいいだけの気もするが。だれか作らんかね。Webcat大学図書館の総合目録)、NDL-OPAC(国会図書舘の所蔵目録)、ゆにかnet(県立などの総合目録)。もちろん、これで国内所蔵のぜんぶが分かるわけではぜんぜんないが、これらに載ってないと、探すのが一仕事になっちまうのだわさ。
また、ごく一部、自前のOPACにはより詳細な情報を載せてたり、自前のにしか載せてない書誌もあったりで(まーこれも困ったもんだが)、気をつけないといけないのだが。
横断検索がもしあれば、ついでに「日本の古本屋」も横断できればなおよし。
ってのも、たいていのレファレンスのユーザは、「文献を入手したい」んであって、「なにがなんでもタダで閲覧したい」ばかりじゃないからね。
著作権者不明で全コピーできん本とか、戦前雑誌の端本とか、トンデモ本とか、日本の古本屋のほうがあったりもして(・∀・)