書物蔵

古本オモシロガリズム

海外研修の実施における重要な要素

面白く読んだ。

  • 関 秀行. 慶應義塾大学における図書館員の海外研修への取り組み. 情報の科学と技術. 67(8):2017. 405-409 ISSN 0913-3801

特に第3節「海外研修の実施における重要な要素」が面白い。
「適切かつ適時な人選」では「管理職は日ごろから部下の海外研修に対する考え方に気を配り、派遣したい人材がいればそのモチベーションを喚起し、適時に「背中を押す」役割を担っている〔べきである〕。」とあって、「あゝ、確かに往時はそんな雰囲気が組織にあったなぁ」と思ふたことぢゃった。
わちきが知っとる組織は、かつて日本的経営をやってゐて、そこそこ上手く行っていたのが、途中で中途半端に近代化してアナーキーとなり、「出たい人より出したい人を」の逆さをやるようになって、いろんな海外協力機関を失っていったのぢゃった(´・ω・)ノ
これは関さんのいふ「研修先での貢献」ともからみ、これを読むと基本的に日本語図書の目録記入を英米目録規則などに基づいてやることが主体となるが、目録もなにもそもそも司書業務の経験がないような人を出したりしてたなぁ…
話戻すと、どこまで実態としてできているかは別にして、ちゃんと、「出たい人より出したい人を」出すべくモチベーションを管理職が引き出そうとしたり、論点がちゃんと出ていてよかった。
もちろん、昔懐かし『KULIC』などの館報などを使って経緯説明をちゃんとしてゐる――図書館員なのに自館の出版物も参照でけん人はおほい――ところもよかったな。